2024.05.22コラム
白くてキレイな歯は清潔な印象、若さの印象も付ける審美歯科治療
今回のコラムは審美歯科、特に審美補綴について書きたいと思います。
白くてキレイな歯は清潔な印象もあり、若さも印象付けることができます。
綺麗な歯に憧れる方は、年齢、性別問わず多くいらっしゃいます。
そこで予防歯科とインプラント治療を得意とする医院の立場として、審美歯科への見解を述べたいと思います。
審美歯科治療を受けたいと思われる方に是非参考にしていただければ幸いです。
目次
審美歯科の4つのポイント
1、審美には主観的な観点と客観的で医学的な観点の2つの観点があります。
2、審美歯科治療は歯科医師と補綴物を作成する歯科技工士の技量で大きく違います。
3、前歯の審美性だけを求めて、奥歯の噛み合わせが悪いのを改善しなければ、審美補綴は長く持ちません。
4、いわゆるセラミック矯正は慎重な判断をする必要があります。
を詳しくご説明させていただきます。
1、審美には主観的な観点と客観的で医学的な観点の2つの観点があります。
”自分はこんな歯が審美的で綺麗だと思う、こんな歯にしたい!”と思っていても、実は歯科医師とイメージがかけ離れていることがあります。
それは審美は医学的にどうすれば客観的に見て美しいと見えるか理由があるからです。
1-① 人は黄金比を美しいと感じる。
”1:1.618”、どこかで耳にしたことがありませんか?黄金比と言って人が美しいと感じる比率のことで歯にも黄金比が潜んでいます。
正面から見た、上顎の中切歯(一番前の歯)と側切歯(2番目の歯)の幅の比率が黄金比に当てはまると言われています。
”前歯が大きく見えるのが嫌だ”とのことで小さく作ると違和感もありますし、客観的には美しく見えません。
1ー② 顔の形と前歯は類似している。
前歯の形態は大きく分けて卵円形(ovoid)、方形(square )、尖形(Taper)と分類されて、顔の形態が相似している(Williamsの3基本形態)と言われています。
しかし、全ての人に当てはまる訳ではありませんが、前歯の形態を作る時には参考にします。また前歯の形態は他人にこのような印象を与えます。
卵円形なら、女性っぽく可愛い印象。
方形(四角形)なら意志が強く、男性っぽい印象など他人への印象も客観的な審美において大切なファクターです。
1-③ スマイルライン
下唇のラインと前歯のライン(切端ライン)が相似していることが笑顔を美しく見せます。
また、話している時などに上の前歯が見える量でも印象が変わり、あまり見えないと老け顔に見える傾向になります。
切端ラインがガルウィング(カモメの翼のような)調だと若く見え、フラット(平面)調だと男性っぽく見えたり、少し老け顔に見える印象になります。
1ー④ 治療をする前に好みの形態を共有する。
今までは客観的な視点を述べていましたが、人それぞれ歯の形は違いますし、患者さんご本人の好みもあります。
”丸い歯がいい”、”出来るだけ見えるように歯を長くしたい”、”シャープな形がいい”など色々とあると思います。
しかし”丸い”と希望されていても、歯のどこが”丸い”のか伝わらなければ希望を叶えることができません。
患者さん、歯科医師、歯科技工士で最終的なイメージを共有することをお勧めします。
2、審美歯科治療は歯科医師と補綴物を作成する歯科技工士の技量で大きく違います。
審美歯科は他の歯科治療同様、処置前の診断が非常に重要になります。
補綴物(被せ物、本稿では特にセラミックを指します)を作成するためには、歯科医師、歯科技工士の双方に高い技術が求められます。
2-① 治療する歯を正確に削り、型をとる。
セラミックを作成するのには必要な厚みがあります。必要な厚みとは割れにくくするための強度のための厚み、審美的な色を再現するための厚み、天然歯のような形態を付与するための厚みを考えて歯を削る(歯科用語で”形成をする”と言います)ことが求められます。
だけど、削りすぎると歯の神経を取る処置(根管治療)が必要になり、将来歯根が折れるリスクとなるため必要最小限で歯を削ります。拡大鏡やマイクロ顕微鏡(歯科用マイクロスコープ)を使用し精密に処置を行います。
次に精密に型を取るのですが、以前と内容が重複いたしますので、詳しくはコラムの”自費診療と保険診療の違い 被せ物編”をご覧ください。
https://licca-implant-center.com/self-pay-and-insurance-treatment/
2-② 歯科技工士が歯の色調と形態を再現する。
”歯は白い”と思われている方が多いと思いますが、単純な色ではありません。黄色がベースの白い歯、オレンジがベースの白い歯など白色の中に青色、赤色、灰色なども入っているため、セラミックを多重築成(何層も重ねて)して歯の色を再現します。
また透明感も再現する必要があり、透明感を強調しすぎると暗くなったり、明るい色にすると透明感がなくなります。歯の色の再現は”こうすれば全て上手くいく”と言うことはなく、製作者の3次元的色調の再現性が求められ、努力だけでは到達することが難しく、歯科技工士の”センス”が問われます。
3、前歯の審美性だけを求めて、奥歯の噛み合わせが悪いのを改善しなければ、審美補綴は長く持ちません。
審美的に見える綺麗な歯の条件として形や色以上に重要な要素が歯並びです。前歯の位置は奥歯の噛み合わせによっては移動することがあります。
例えば奥歯がない状態(欠損している状態)ではせっかく綺麗にセラミック冠を装着しても、前歯が前に押し出せれて”すきっ歯”になることがあります。
また、奥歯の噛み合わせが安定していないと、セラミックが欠ける原因にもなります。
4、いわゆるセラミック矯正は慎重な判断をする必要があります。
セラミック矯正は歯科矯正と比べて短期間でご希望に応えることができるメリットはありますが、様々なデメリットも考えて選択すべきだと考えます。
最もよくあるケースが歯が出ている状態(出っ歯)をセラミック矯正した場合、歯を多く削り、場合によっては歯の神経を取ることもあります。歯の神経を取ると長期で見れば歯根が折れる可能性が残ります。
10年後を考えると慎重に考えるべきだと思います。
最大のデメリットは前歯が内に入ることで、歯列のアーチが狭くなり下顎が後退し、舌のスペースが狭くなり気道を圧迫する可能性があります。空気の通り道(airway)は人の生命維持において最も重要なことであります。
ではどうすればいいのか?
短期のマウスピース矯正+セラミック治療で様々なデメリットを回避することができます。
前歯が出ているのを改善して欲しいと希望され来院されたケースです。右上の前から2番目の歯は既に仮の歯が入っている状態です。
このままセラミックで治療しようとすると、上の歯で6~8本を削る必要があり、場合によっては歯の神経も取らないといけません。
しかし、数ヶ月のマウスピース矯正と最小限の歯を削るだけで、、、歯列のアーチも狭くせず、前歯3本を治療するだけでご希望に応えることができました。
もちろん歯の神経も取っていません。
歯の色は患者さんの希望で、歯の先端に透明感をつけて自然な白さで歯科技工士さんに製作していただきました。(片岡セラミック 亀井氏)
綺麗な歯は笑顔に自信を与えてくれます。ほんの少しの形の違いで、他人に色々な良い印象を与えてくれます。私が治療をさせていただきました患者さんにも、最初にお会いした時より明るく元気になられた方もたくさんいらっしゃいます。
審美歯科はまさに”Quality Of Life=生活の質”を上げることができます。ただ10年後、20年後を考えて治療することを考えます。
当院では全ての治療は予防をベースとして考えていますので、見た目が良くなっても健康を阻害するなら本末転倒だと私は思います。
審美歯科なら当院にお任せください。
当院の7つの特徴
①予防をベースとした治療計画をトリートメントコーディネーターと共にご説明いたします。
https://licca-implant-center.com/treatment-coordinator/参照
②お一人お一人に歯科衛生士が担当いたします。
https://licca-implant-center.com/treatment/preventive-dentistry/参照
③歯のホワイトニングは快適な環境で受けることができます。
https://licca-implant-center.com/treatment/whitening/参照
④マイクロスコープを使用して精密治療な治療をいたします。
⑤マウスピース矯正も併用できます。
https://licca-implant-center.com/treatment/mouthpiece/
⑥製作を担当する歯科技工士と直接ご相談ができます。
https://licca-implant-center.com/treatment/licca-lab/参照
⑦生涯健康な歯を維持するようにメンテナンスでサポートいたします。
当院ではセカンドオピニオンも承っております。お気軽にご相談にいらしてください。