医療法人 西村歯科心斎橋診療所

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2024.05.01コラム

自費診療と保険診療の違い 被せ物編

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自費治療を勧められた時に保険治療ではダメなのか?悩むことはありませんか?
今回のコラムでは”保険治療と自費治療の違い”と”なぜ自費治療を提案するのか” ”補綴冠(被せ物)編”と称しご説明します。

まず、保険治療で認められている被せ物は、パラジウムクラウン、レジン前装冠、CADCAM冠があります。
対して自費治療では上記の種類にさらにゴールドクラウン、オールセラミッククラウン、ジルコニアクラウン、メタルボンドクラウンを選ぶことができます。
自費治療は様々なマテリアル(材料)を使えるので、適材適所に使用するマテリアルを選択することができます。

被せ物(補綴冠)

  1. ・型取りの方法の違いについて
  2. ・マテリアル(材料)の違いについて
  3. ・作成する歯科技工士の技術差
  4. ・マテリアルを選択できるメリットについて
  5. ・当院での治療について

型取りの方法の違いについて

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歯型を取ることを歯科用語で印象採得と言います。
被せ物を作成する際に使用する印象採得法は2つの方法があります。※デジタル印象は除く寒天印象材とアルジネート印象材を使った連合印象とシリコーン印象材を使用した精密印象があります。
寒天・アルジネート印象は保険治療でよく使用され、精密印象は自費治療で使用します。

心斎橋 歯医者 型取りの方法 寒天・アルジネート印象 自然治療 
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印象材の精度は被せ物を作成する模型にも差が生じます。

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左の模型(寒天・アルジネート印象)に比べ右の模型(精密印象)の方が歯肉と歯の境界がくっきりしていて、表面も歯を削った細かいあとまで鮮明に再現されます。
境界線が明瞭だと隙間のない、二次カリエス(二次的な虫歯)になりにくく、また表面が鮮明に再現されていることでフィット(適合)の良い被せ物が作成されます。

写真を比べて差がわかりますでしょうか?

両方の印象は自費治療を選択されました患者さんのご協力のもと、全く同じ状態で印象しています。
どちらもキレイに印象ができていると思います。
実は印象(型とり)は印象する前の前準備が非常に大切です。
印象する日までに歯をきれいに調整して、歯を保護し歯肉に炎症が起きないように仮歯をピッタリ合わせないといけません。
それより前に、歯ブラシがしっかりできるように歯科衛生士が正しいブラッシングを指導さ
せていただいて、患者さんがきれいな状態を保っていただけるおかげで、鮮明な印象採得ができます。

マテリアル(材料)の違いについて

パラジウム冠(保険適応)

いわゆる銀歯と呼ばれる被せ物です。
補綴冠の中で最も安価な材料で比較的加工しやすい金属で作成されています。
精密な型をとり、高い技術を持った技工士が作成すると適合が良く、形態も良い被せ物ができますが、様々な制限があり実際は精度の高い被せ物が完成してくるのは難しいのが現状です。

レジン前装冠(保険適応)

前歯に適応される被せ物でパラジウム冠の表面(見える側)に白いレジン(樹脂)を接着した被せ物です。

CADCAM冠(保険適応)

保険適応内で使用できる白い歯です。
歯科技工士が設計し、機械が削り出します。
強度は低いため割れる可能性もあり、経年的に減ってしまいます。

ゴールドクラウン(自費治療)

いわゆる金歯と呼ばれる被せ物です。
使用されている歴史は長く、適合も非常に優れた被せ物で二次カリエスにもなりにくいのが特徴です。
長くは使えますが、被せ物の中で虫歯になっていると確認することが困難です(※)。
※二次カリエスになっているかはレントゲンを撮影しますが、金属で隠れて見えないことが多いため

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e-max PRESSクラウン(自費治療)

ニケイ酸リチウムガラスセラミックで審美的なオールセラミッククラウンの1種です。
奥歯にも使用できるようになったオールセラミックで強度も高く、適合も良い被せ物です。
透明感の再現性が高く、若い女性で対象となる歯(被せ物を入れる歯)の色の変色がなければ非常に審美性が高い材料です。
症例が合えば最も審美的だと私は考えています。
しかしガラスセラミックなので割れるリスクはありますので、ブリッジなどでの使用は前歯以外は適応外になります。
レントゲン透過性があるので二次カリエスの確認がしやすいので、もし虫歯になっても歯のダメージが少ない段階で発見することもできます。
また、セラミックなのでプラークも付着しにくいのも特徴です。

フルジルコニアクラウン(自費治療)

人工ダイアとも言われる最も強度の高いオールセラミッククラウンです。
技工士が設計をして、ミリングマシーンで削り出した後、調整し色調の調整をします。
フルジルコニアが利用され始めた頃は、色調が単調でしたが多層築成されたジルコニアや、透明度の高いジルコニアが開発され審美的にも良く、適合も大幅に改善されました。
e-maxクラウンと違ってレントゲン透過性はありません。

ジルコニア+セラミック築成(自費治療)

ジルコニアのフレームにセラミックを多層築成する方法で、フルジルコニアに比べて審美性は格段に良くなります。
特に明るくて白い歯に自然感を希望される場合に選択することがあります。
フルジルコニアと同様レントゲン透過性はありません。

メタルボンドポーセレンクラウン<ポーセレンヒューズドクラウン>(自費治療)

セラミック治療で最も歴史のあるクラウンです。
貴金属にセラミックを結合させ多層築成し作成されます。
セラミックの審美性と金属を使用した適合の両方を備えたクラウンです。
経年的な色調変化は少なく、優れた審美性はありますが透明感のある歯ではオールセラミックに劣ります。
上手に作成できる歯科技工士は少なくなりましたが、非常に安定した良いマテリアルだと考えています。

作成する歯科技工士の技術差

日本の歯科技工士は世界的に見ても非常に技術が高い人が多くいらっしゃいます。
しかし、仕事環境が良くなく離職したり、希望者が少なくなっております。
実は被せ物は作業工程も多く手間が非常にかかるオーダーメイド品です。
歯は人によって形は違いますし、噛み合う歯の形も色も違います。
保険診療内の被せ物は日本全国費用が決まっており、その範囲内で作成する歯科技工士さんはコストと時間がかかります。
そのため技術と知識、両方の研鑽を積み、自分で値段を決めることができる自費治療の被せ物を手がけるようにします。
そうすると自然と技術がある歯科技工士さんは保険治療の被せ物はあまり作成しないので、被せ物によっては質に大きな差が出てしまう場合があります。

マテリアルを選択できるメリットについて

口腔内で使用できるマテリアルは様々なものがあり、それぞれの特徴があります。
保険診療内では、パラジウム冠(※前述していませんが チタン冠がありますが、私は使用した経験がないので省かせていただきました。)かCADCAM冠になります。
しかし、自費治療では患者さんの治療する”その歯”にあったマテリアルを選択することができます。
白いから良い!硬いから良い!ではないのです。

当院での治療について

当院では患者さんの10年後、20年後の健康を考えてご説明させていただいております。
また、全ての患者さんにその時その時にあった被せ物をご提案させていただきます。
最新のマテリアルで作成した被せ物が必ずしも最高ではないと考えています。
私が歯科医師になり、この25年間に様々なマテリアルが発売されては無くなりました。
発売された当初は最高のマテリアルであるように紹介されますが、時間が経つと影を潜めてしまいます。
また、値段の高い被せ物が必ずしも最適ではないとも考えています。当院には院内技工士も在籍していますので、ケースによっては話し合って最適な被せ物を選択し、患者さんとご相談させていただきます。

https://licca-implant-center.com/treatment/licca-lab/

どのような治療を選択するかは非常に大切なことです。


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