2025.04.09コラム
予防のために歯医者に通う
目次
”予防のために歯医者に通う”という文化を創る。
大阪市中央区心斎橋駅から徒歩1分の西村歯科心斎橋診療所、院長の秦です。
ある月曜日の午前中でした。
20代の若いご夫婦が待合で小さなお子さんを抱き抱えながらメンテナンスの受付をしておられました。
何て言葉に表せればいいのかわからない、幸せそうなご夫婦のお姿を見て、心が温かくなったのを覚えております。
月曜日の午前中にお二人で来院されることから予想しますと、旦那さんがお仕事を休みを取り、その貴重な時間を歯科のメンテナンスに来院していただいたのだと想像しました。
私も子供が3人いますので小さなお子さんを連れて出かけるのは一つのイベントの様な大変さもあることをよく理解しております。(世のお母さん方には尊敬の念しかありません。)
ご自宅も大阪市内でないにもかかわらず、交通手段を利用してご来院いただけることを心から嬉しく思います。
日本人がメンテナンスに通うのは一般的?
さてでは日本国民が予防メンテナンスに通われるのは一般的なことなんでしょうか?
令和4年の歯科疾患実態調査では1年間に歯科検診を受診した人は58%と報告されています。
令和4年歯科疾患実態調査から引用
(厚労省HPより)
この58%と言う数字は高い方なんでしょうか?
予防先進国スウェーデンでの歯科定期検診の受診率は80〜90%と言われております。
欧米でも70%以上の受診率を言われ、日本は先進国としてはまだまだ高い水準であるとは言えません。
しかし私が歯科医師になった25年以上前は20%以下であると聞いたことがあります。(何のデータか定かではありません。)
その頃から比べると定期検診受診率は高くなったと思います。
歯科検診を受診する人が増えると何かいいことがあるのでしょうか?
ズバリ高齢者でも自分の歯が残っている人が増えました!
高齢者でも自分の歯が残っている人が増えた?
ではどれくらい歯は残るようになったのでしょう?
令和4年歯科疾患実態調査では、
平成5年時には80歳で20本以上の歯を有している人は全体の10.9%でしたが、令和4年では51.6%と大幅に改善されています。
この結果は歯科全体に予防の概念が普及したのと同時に、定期検診受診率が上昇したことが要因と思います。
以前の日本では歳を取れば歯がなくなり入れ歯になると思われていますが、それは間違いで定期検診を受診することで高齢者になっても自分の歯で食事ができることが立証されたと言えます。
皆さんは歯を失う原因をご存知ですか?
ご存知だと思いますが主な原因は”虫歯”と”歯周病”です。
”虫歯”に関しては前述の歯科疾患実態調査にて報告がありますので提示したいと思います。
日本のDMF歯数の推移
DMF歯数といって今現在の虫歯(D:Decayed)、失った歯(M:Missing)、治療した歯(F:Filled)の歯が何本あるのかを数える方法があります。
日本のDMF歯数の推移は
全年齢層で減少しているのがわかります。
では虫歯は減ったのでしょうか?
答えは”YES”ではありません。
歯科医師を25年以上していますので、自分の実感としては若い人たちの虫歯は減っていると思います。
歯科医師になる学生さんや研修医の先生でも虫歯の治療を受けたことがない人たちは多くいらっしゃいます。
虫歯の減少と年齢層の違い
表8を見てみても44歳までは”う歯を持つ人の割合”は減っていますが、それ以上の年齢層になると増加しています。
特に矢印で示しています75歳以上の年齢層では顕著に”う歯を持つ人の割合”が増加しています。
なぜなんでしょう。
そうなんです、歯が残るようになったからなのです。
虫歯と歯周病予防の重要性
平成5年時には75歳以上で20本の歯を有している人は10.0%に対して令和4年では55.8%の人が20本以上自分の歯が残っている状態です。
平成5年頃には高齢者になると自分の歯を失っていたので虫歯ができなかっただけなのです。
西村歯科心斎橋診療所では”虫歯を予防すること”を最も重要視しています。
以前は世間一般の歯医者では”予防をすると虫歯が無くなり歯医者の仕事が無くなる!”と言う人もいましたが、私たちは予防をすることが”歯科医院の最も重要な仕事である”と考えております。
”予防のために歯医者に通う”文化を創ることが我々の使命であると考えております。
では定期的に歯医者に検診に行きさえすれば虫歯、歯周病にならないのでしょうか?
定期検診に行ってクリーニングをしてもらったら虫歯にならないのでしょうか?
定期検診に行って虫歯を早期発見、早期治療すれば歯を長く健康に保つことが出来るのでしょうか?
答えは” NO”。
もちろん虫歯の重症化は防げるかもしれません。
虫歯が進行して抜歯になることは防げるかも知れません。
一番大事なのは虫歯、歯周病にならないように自分のお口の状態を知り、正しい予防の知識を身につけることです。
歯科医院の役割はそこが大きなポイントで、定期的に来院いただくのは検診ではなくメインテナンスで来院いただいて、専門的な知識と技術を持った歯科衛生士が虫歯、歯周病の予防のお手伝いをいたします。
定期検診に通っているのになぜ虫歯が見つかるのか
定期検診に通っているのに毎回虫歯が見つかり治療を繰り返している人は疑問に思いませんか?
それは”虫歯予防”ができていない状態です。
そのような方は、、、
定期検診だけ通っていたら大丈夫と思っていませんか?
虫歯、歯周病の予防のためには歯ブラシが重要と言われながら、歯科衛生士によるブラッシング指導がないのも疑問に思いませんか?
歯ブラシをすることだけが虫歯予防の方法だと勘違いしていませんか?
虫歯の原因菌さえいなければ虫歯にならないと考えていませんか?
3歳まで虫歯菌に感染しないようにすれば一生虫歯にならないと考えていませんか?
歯医者に行ってフッ素を塗ることが虫歯予防であると思ってはいないでしょうか?
ご自身の口の中はどうなっていますか?虫歯が出来やすい状態でしょうか、出来にくい状態でしょうか?
正しい方法を身につけるため”予防のために歯医者”にいらしてください。
治療をしない予防のために通う歯医者は案外、快適ですよ!
虫歯、歯周病の予防については下記のページをご参考になさってください。
予防歯科を受けるときにどのようなことをするのかは予防歯科のページに詳しく掲載しております。
西村歯科心斎橋診療所での予防歯科の特徴
・お口の中の資料採得をします。
初診時だけではなく、定期的に企画性のある資料を取ることでお口の中の変化を確認すること
ができます。
患者さんにご自身の状態を理解いただけるツールになります。
担当歯科医師、歯科衛生士が患者さんが帰宅後もお口の状態を確認するのに役に立ちます。
・患者さんおひとりおひとりに専任の歯科衛生士が担当します。
専任の歯科衛生士が担当することでお口の変化を見落とすことがありません。
ブラッシング指導や予防内容をお伝えするのに重複することがありません。
今日誰が担当するのかの不安もありません。
・歯科医師、歯科衛生士がダブルチェックします。
定期的に歯科医師もチェックすることでより質の高い予防を提供いたします。
検査して資料もダブルチェックします。
経過観察している歯もダブルチェックするとこで治療のタイミングを共有しています。
・医院全員が参加するカンファレンスを定期的に開催しています。
担当歯科衛生士だけではなく参加する歯科衛生士全員で患者さんの資料を共有します。
担当する歯科衛生士によって予防の質に差が出ないように、常に高い水準の予防を提供致して
おります。
・歯科医院にいる全てのスタッフが予防を最重要と考えています。
担当する歯科衛生士、歯科医師だけでなく歯科助手、コーディネーター、受付も共通の認識の
もと全ての患者さんをお迎えしております。
・口の中だけを見るのではなく、人を見る。
西村歯科心斎橋診療所では全ての方に予防メインテナンスを提供しております。
全ての方の大切な時間を快適に過ごしていただけますよう、スタッフ一同日々努力をしていま
す。
患者さんの口の中だけを見るのではなく、患者さんの健康を守るために”人”を大切にしておりま
す。