医療法人 西村歯科心斎橋診療所

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2025.02.05Newコラム

インプラントと差し歯の違い

インプラントのイメージ図

西村歯科心斎橋診療所、院長の秦です。

当院はLiccaインプラントセンター 西村歯科診療所という名前で開業いたしました。

当時はインプラントセンターという名前は珍しく、特に当院はインプラント治療に特化した医院として開業されました。

現在はインプラントはもちろん、予防歯科、歯周病治療、虫歯治療、噛み合わせの治療、セラミック治療などの審美歯科治療、精密根管治療、マウスピース矯正など難易度の高い治療もしております。

20年前は患者さんにご説明するときには”インプラントとは?”のお話からしておりましたが、現在はインプラント治療も普及したことでインプラントをご存知の方も多くいらっしゃいます。

そんな昨今でも”差し歯”をインプラントと勘違いされている患者さんもいらっしゃいます。

このコラムではインプラントと差し歯の違いをできるだけわかりやすく説明をしたいと思います。

最初に問題です。

下の写真は男性のお口の中の写真なのですが、中央の2本の歯のどちらかの歯が差し歯でもう片方はインプラントの歯になります。

考えてみて下さい。

  • ①向かって左の歯が差し歯、右の歯がインプラント。
  • ②向かって右の歯が差し歯で、左の歯がインプラント。
  • ③ひっかけで両方が差し歯。
差し歯とインプラントの症例

いかがでしょうか?

答えは①の向かって左側が差し歯で、右側がインプラントです。

見分けがつきますでしょうか?

歯科医療従事者であればすぐに見抜くことができますが、一般の人には見分けがつきにくいですですよね。

ではレントゲンを提示してみます。

レントゲン画像

レントゲンで見ますと一目瞭然で、左右のはの違いがわかると思います。

つまり差し歯は”自分の歯(歯根)に被せ物(補綴物)を装着する治療法”でインプラントは”インプラントと呼ばれる人工歯根に被せ物(補綴物)を装着する治療法です。

それぞれ審美的にも長持ちをするように治療するためには高い技術と知識が必要になります。

そもそも歯科の専門用語で”差し歯”はありません。

患者さんが理解しやすいようにや、一般的に普及している言葉でありますので使用することはありますが、歯科医療従事者同士の会話では”差し歯”という言葉は使いません。

なぜ自分の歯に補綴物を入れることが”差し歯”と呼ばれるようになったかは定かではありませんが、神経を取った歯根に歯を差し込むことからそう呼ばれるようになったのかな?と想像します。

差し歯
Dental Xより引用

1)差し歯での治療、インプラントでの治療がどのような時に必要な治療になるのか?

①自分の歯がすでにない場合。

自分の歯がすでに抜歯されて無かったり、先天的に欠如(元々永久歯が存在しない)している場合はインプラント治療が適応になります。

差し歯は自分の歯の歯根が残っていることによって可能な治療になりますので、歯根がなければ作らなければならず”人工歯根”が必要になります。

②自分の歯がある。歯根がある。

歯根が残っていると”差し歯”にして治療をすることができます。

ここで注意しないといけないのが、残っている歯根の状態によっては治療が出来ない場合もございます。

例えば

  • a.歯根が割れている。
  • b.歯根が虫歯になっていて、虫歯になっている部分を削ると残った歯根が少ない。
  • c.歯根に大きな穴があいている。
  • d.歯根が歯肉に埋まっている。
  • e.歯冠補綴(被せ物)を装着できるスペースがない。

このような状態ですと、差し歯にすることができません。

仮に上記のような状態であったとしても歯肉の上に出ている部分の歯の量が高さ1.5mm以上、幅が全周1mm以上(dentin ferrule:デンティン フェルール)ない状態では、差し歯が取れてしまったり、歯根が折れる可能性が高いため保存が出来ない場合もあります。

では上記の状態の歯は全て抜歯してインプラントにした方がいいのでしょうか?そんなことはありません。

a,bの場合は抜歯するしかありませんが、c,d,eは治療することができます。

・歯根に大きな穴があいている場合。

治療技術の革新から保存できるようになった症例 治療例Bを参考にして下さい。

・歯根が歯肉に埋まっている場合。

覆い被さった歯肉を取り除くことで歯を保存することができますが、そのようになってしまっている歯のほとんどがデンティン フェルールがない状態です。

そんな状態のときには矯正的挺出(エクストリュージョン)と言ってゆるい矯正力で歯を引っ張り上げることで、歯を良い状態で保存することができます。

エクストリュージョン
Dental Xより引用

治療例

矯正的挺出中

矯正的挺出中
矯正的挺出中
矯正的挺出中

被せ物を装着後

被せ物を装着後

治療完了後13年経過

治療完了後13年経過

2)差し歯とインプラントはどちらが長持ちするのか?

答えはどちらもお口の中の条件によります。

差し歯の歯根は自分の歯の一部なので虫歯にもなりますし、歯周病にもなります。

インプラントはチタンでできていますので、虫歯にはなりませんが、歯周病にはなります。

どちらも長持ちをさせようと思うと、定期的な質の高いメンテナンスが必要ですし、虫歯予防、歯周病予防のためセルフコントロール(日常の歯磨き)が重要なポイントです。

3)費用

差し歯の費用は被せる材質によって数千円~20万円が相場になります。

インプラントは歯根の役割をインプラント体がするため、差し歯の費用より20万円~35万円ほど高くなります。(インプラント治療の相場は35万円~50万円)

4)差し歯とインプラントのどちらの治療を選択すべきなのか?

両方の治療を選択できる場合はまず差し歯ができるか、歯を保存できるかを選択します。

歯を良い状態で保存できなければ治療をして差し歯を接着しても数ヶ月ではずれてしまい、再度の治療が必要になります。

またとりあえず抜かずに治療して差し歯を入れて悪くなったときには歯の周りの骨も多く失ってしまい、インプラント治療をするには良くない状態になっておることが多くあります。

差し歯にした後、悪くなったらインプラント治療を選択することができますが、もし悪くなったときにインプラントが出来ないと診断された場合は差し歯の治療をせずにインプラント治療をお勧めすることもございます。

でもどうしても差し歯で治療しないといけない場合があります。

それは20歳代前半より若い人はインプラント治療をすることを避けるべきです。

顎が成長している年齢の時にインプラントを入れるとインプラント周りの骨は成長が阻害されるため他の天然歯と不調和が起きます。

※クラニオフェイシャルグロース(Lifelong craniofacial growth)

成長が止まる25歳以上までは差し歯で治療するのか、どうしても保存できずに抜歯になった場合は歯を削らずに接着性のブリッジなどで対応します。

症例写真
症例写真

5)差し歯で治療するときに長持ちさせるには?

西村歯科心斎橋診療所では差し歯と長持ちさせるために以下のことにこだわって治療をしています。

・根管治療(歯の神経の治療)を精密に行う。
精密根管治療についてはこちらをご参考ください。
精密に根管治療をすることで再根管治療のリスクを下げます。
被せ物をいかに精密に綺麗に作成しても再根管治療が必要になると被せ物を除去しないといけなくなります。根管の中を大きく削らないことで歯根破折(歯の根っこが折れる)のリスクも下げることがで
きます。

・コア(土台)を確実に接着する。
コアを接着することで差し歯が取れにくくなるばかりではなく、歯根破折も起きにくくなります。

ファイバーコアのイメージ図

・歯の周りの歯肉を健康な状態にする。
歯肉に炎症があると精密な型取りはできません。歯周治療(歯石取りなどの歯茎の治療)と適切な歯ブラシ指導をいたします。
仮歯を歯と歯肉に合うように調整し、歯肉の炎症がない状態を維持します。

・デンティン フェルールが確保できるように治療をします。

・虫歯、歯周病を予防するために個人のリスクに合った予防メンテナンスを提供いたします。
こちらをご参考にして下さい。

西村歯科心斎橋診療所では10年後20年後を見据えて治療のご提案をいたします。
当院は治療のご説明をする時間を大切にしています。

当院ではご納得とご理解をいただいた上での治療しか致しません。
https://licca-implant-center.com/treatment-coordinator/

当院ではセカンドオピニオンも承っております。
ご予約はお電話だけでなく、webでも承っております。

https://planetdentale.com/reserve/about.php?web_code=4bafff33a131c05847acb798fd98e09513b212d598a35dd7880cf9d930dd0b62


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