2026.07.08Newコラム
歯医者で撮るCT検査とは?レントゲンとの違いをわかりやすく解説

こんにちは、大阪市中央区心斎橋にある西村歯科心斎橋診療所(心斎橋インプラントセンター併設)院長の秦です。
「歯医者さんに行くと、よくレントゲンを撮るけれど、ときどき『CTも撮りましょう』と言われるのはなぜだろう?」 「レントゲンとCTって、何が違うのかしら?」
このように疑問に思われたことはありませんか?
歯科医院で受ける精密検査にはいくつかの種類がありますが、その中でも特に重要なのが「レントゲン検査」と「CT検査」です。どちらも目に見えないお口の中の情報を教えてくれる素晴らしい医療機器ですが、実はその役割や得意なことには大きな違いがあります。
当院は、インプラント治療をはじめとする専門的な治療の経験が豊富であり、それと同時に「病気になるのを未然に防ぐ予防歯科」を診療の中心に据えています。
私たちは、患者さまに今どのような治療が必要なのか、なぜその検査をするのかを、治療前にしっかりとご説明することを何よりも大切にしています。また、「治療に伴う痛みや不安をできるだけなくしたい」という強い想いを持って、日々の診療にあたっています。
今回は、皆さまが少しでも安心して検査や治療を受けられるよう、「歯医者で撮るCT検査とはどのようなものか」、そして「従来のレントゲンと何が違うのか」について、専門用語をできるだけ使わず、わかりやすく丁寧にお話しさせていただきます。
目次
1. そもそも「レントゲン」と「CT」の決定的な違いとは?
まずは、最も分かりやすい大きな違いからお伝えします。一言で表現するなら、「レントゲンは平面(2D)の写真」であり、「CTは立体(3D)の映像」です。
従来のレントゲン(平面の世界)

従来のレントゲンは、いわばお口の中を正面や横からパシャリと撮影した「影絵」のようなものです。 お口全体の歯や骨の並びが一目でわかる「パノラマレントゲン」や、数本の歯を拡大して細かく見る「デンタルレントゲン」などがあります。これらは、虫歯の有無や大まかな歯の形を知るために、今でもなくてはならない基本の検査です。 しかし、平面の写真であるため、前後に重なっているもの(例えば、骨の厚みや、歯の根っこの裏側に隠れた病気など)を正確に見分けることには限界がありました。
歯科用CT(立体の世界)

一方で「CT(Computed Tomography)」は、コンピューターを使ってお口の中を360度あらゆる方向から撮影し、それを立体的な3D画像として組み立てる装置です。 お口の中を自由な角度から見回したり、輪切りの状態にして内部を覗き込んだりすることができます。
当院の公式ホームページの「医院紹介」ページでも、このCTの重要性について以下のようにご紹介しています。
3次元CT診断の導入
当院では、これまで見えなかった部位であっても正確な診断を行いたいという考えから、いち早く3次元CTを導入しました。 0.076ミリのスライス幅の撮影により、3次元画像や断層像を構築。 従来のレントゲンでは充分に判断できなかった部位も正確な診断ができます。 (引用元:西村歯科心斎橋診療所 公式HP「医院紹介」)
このように、従来のレントゲンではどうしても確認しきれなかった「細かな骨の厚み」や「複雑な血管・神経の通り道」を、ミリ単位で正確に捉えることができるのがCT検査の最大の特徴です。
2. なぜ、歯医者さんでCTが必要になるの?
「普通の虫歯治療ならレントゲンだけで十分な気がするけれど、どんなときにCTが必要になるの?」と思われるかもしれませんね。 歯科用CTが特にその力を発揮するのは、以下のような「お口のなかの精密な構造を把握しなければならないとき」です。
① インプラント治療を安全に行うため

歯を失った部分に人工の歯根を植え込むインプラント治療において、CT検査は絶対に欠かせません。 インプラントを安全に長く使っていただくためには、あごの骨の「量(高さや幅)」や「質(硬さ)」が十分に満たされているかを確認する必要があります。
当院の公式ホームページの「治療内容 インプラント」ページには、次のような記載があります。
04.レントゲン検査・CT検査
口腔内模型で正確に把握できない骨の状態を検査します。 外から見て歯肉が盛り上がっていても、骨は薄いということもあります。 骨の量と質は、インプラント治療において大きな要素ですので、レントゲンとCT スキャンで骨の状態を確実につかみます。 (引用元:西村歯科心斎橋診療所 公式HP「治療内容 インプラント」)
目で見たり、従来のレントゲンで見たりするだけでは「骨がたっぷりある」ように思えても、CTで立体的に確認すると、実は骨の厚みが非常に薄かったというケースは珍しくありません。事前にCTで骨の立体的な状態を確実につかんでおくことで、無理のない、安全で痛みの少ない計画的な治療が可能になります。
② 親知らずの安全な抜歯のため
親知らずのすぐ近くには、下あごの大きな血管や神経(下顎管といいます)が通っています。もし抜歯の際にこの神経を傷つけてしまうと、あごや唇に麻痺が残ってしまうリスクがあります。
CTを使えば、親知らずの根っこがどちらを向いていて、神経と何ミリ離れているかが立体的にひと目でわかります。そのため、周囲の組織を傷つけることなく、スムーズかつ安全に抜歯を行うことができるのです。
③ 歯の根っこの治療(根管治療)のため

歯の神経が入っている管(根管)は、非常に細く、複雑に枝分かれしています。 レントゲンだけでは見落としてしまいそうな微細なひび割れや、枝分かれした細い管の先にある膿の袋も、CTの3D画像であればはっきりと映し出すことができます。原因を特定しやすくなるため、治療の成功率が格段に上がります。
④ 重度の歯周病の進行度を知るため
歯周病は、歯を支えているあごの骨がだんだんと溶けていく病気です。 CTを撮影することで、歯の周りの骨が「どの部分から、どれくらい溶けてしまっているか」を立体的に把握できます。これにより、的確な歯周病治療やメインテナンス(予防)の計画を立てることができます。
3. CT検査に対する「よくある不安」にお答えします

「CT」と聞くと、大がかりな検査のように感じて、不安や緊張を覚える方もいらっしゃると思います。患者さまが少しでもリラックスして検査を受けられるよう、よくある疑問や不安に丁寧にお答えしていきますね。
Q1. 撮影のとき、痛みはありますか?
A1. 痛みはまったくありませんので、どうぞご安心ください。 お口の中に小さなフィルムを入れて噛んでいただく必要もなく、装置のシートにリラックスして座って(あるいは立って)いただくだけです。
装置がお顔の周りをゆっくりと1周回る間に撮影は終わり、時間にしてわずか10秒〜20秒程度です。痛いことや苦しいことは何一つありません。
Q2. 放射線の被ばく量は大丈夫ですか?
A2. 体への影響はほとんど心配ないレベルに抑えられています。 歯科用のCTは、一般的な医科用(病院などでの全身用)のCTに比べて、撮影する範囲が非常にお口周りに限定されているため、放射線の量が驚くほど少なくて済みます。
私たちが日常生活の中で自然に浴びている自然放射線(1年間で約2.1ミリシーベルト)と比較しても、歯科用CTの被ばく量はそのわずか数十分の一から百分の幾つか程度(約0.1ミリシーベルト前後)です。
さらに、撮影時には放射線を遮断する専用の防護衣(エプロン)を必ず着用していただきますので、お体への影響は最小限に抑えられています。どうぞ安心してお受けください。
Q3. なぜ最初から毎回CTを撮らないのですか?
A3. 患者さまの負担(費用やわずかな被ばく)を考え、本当に必要なときだけ選択しているからです。 従来のレントゲンは、お口全体の状況をざっくりと把握するのに非常に手軽で、費用も抑えられます。
そのため、初診時のチェックや定期検診など、まずは全体像を見たいときにはレントゲンを撮影します。 そして、「より深い部分の精密な情報が必要だ」と判断したときに初めて、CTによる3D診断を行います。
私たちは、患者さまにとって不要な検査は行いません。必要性がある場合にのみ、しっかりとその理由をご説明した上で撮影させていただきます。
4. 西村歯科が「しっかり説明すること」と「予防」を大切にする理由
医療において最も大切なのは、患者さまと歯科医師が「同じ目線で、現在のお口の状態を理解すること」だと私たちは考えています。
当院で行っている「上の奥歯2本のインプラント治療」のコラム事例でも、画像診断の重要性についてこのように述べています。
口腔内写真と歯科用CT撮影による3D診断 口腔内写真を撮影します。 処置前の状態を記録することは治療前、治療中、治療後にも非常に重要な役割を果たします。 歯科用CT撮影をいたします。 レントゲンでは2次元的な平面の情報を頭で立体的に想像し診断する必要がありますが、CT画像では3次元的な立体的な診断が可能になります。 (引用元:西村歯科心斎橋診療所 公式HP「コラム 上の奥歯2本のインプラント治療」)
医療従事者であれば、平面のレントゲン写真からある程度お口の中を立体的に想像することができますが、患者さまにとってはそれはとても難しいことです。
しかし、CTの3D画像であれば、患者さまご自身の目で見て「あ、ここに骨がないんだな」「ここに神経があるから気をつけないといけないんだな」ということが直感的にご理解いただけます。
私たちは、撮影したCT画像をただ診断に使うだけでなく、診療チェアのモニターに映し出し、患者さまに分かりやすい言葉で丁寧にご説明します。
「何をされているかわからない」という状態こそが、歯科治療における一番の「不安」や「怖さ」に繋がるからです。どこがどうなっていて、どんな治療を行うのかを事前にしっかり共有することで、痛みや治療に対する不安の大部分を取り除くことができると信じています。
そして、CTなどの精密機器を使ってお口のトラブルの「本当の原因」を突き止めることは、私たちの診療の核である「予防歯科」にも深く結びついています。
せっかく痛みをなくす良い治療をしても、数年後にまた同じ場所が悪くなってしまっては意味がありません。トラブルの根本的な原因(骨の減り具合、歯の根っこの隠れた炎症など)をCTで最初に見極め、適切に対処することで、その後のお口の健康を長く守るための「質の高いメインテナンス(予防)」が可能になります。
「一回のお客様を、一生のお客様に。」という想いを胸に、皆さまが生涯ご自身の歯で美味しい食事を楽しめるよう、全力でサポートさせていただきます。
5. まとめ:安心で確実な治療のために
歯科医院で撮影するCT検査は、患者さまの「見えない不安」を安心に変え、より「安全で痛みの少ない治療」を実現するための、優しく心強い味方です。
・レントゲン: 全体像を把握するための平面(2D)の写真
・CT検査: 骨の厚みや神経の位置をミリ単位で捉える立体(3D)の映像
これらを症状や目的に合わせて正しく使い分けることで、私たちは患者さま一人ひとりに寄り添った、負担の少ないオーダーメイドの治療をご提案しています。
お口の中に少しでも違和感がある方、インプラントについて相談してみたい方、あるいは「最近しばらく歯医者さんに行っていないから、しっかりチェックして病気を予防したい」という方も、どうぞ緊張なさらずに、お気軽にご相談くださいね。皆さまのご来院を、スタッフ一同温かくお待ちしております。
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