2026.01.07Newコラム
「歯医者を変える=治療を否定すること」ではありません

歯医者を変えてもいいのか悩んでいる方へ ―― 後悔しない判断基準
こんにちは。
大阪市中央区心斎橋駅から徒歩1分にある西村歯科心斎橋診療所(心斎橋インプラントセンター併設)、院長の秦です。
今回は他の医院で治療が上手くいかず来院されるような方々の参考になればとこのようなタイトルでコラムを書かせていただきます。
「今通っている歯医者さんで、このまま治療を続けていいのだろうか」
「変えたい気持ちはあるけれど、失礼ではないか、また一からやり直しになるのではないか」
このような悩みを抱えながら、誰にも相談できずに通院を続けている方は少なくありません。
歯科治療は一度始まると長期にわたることも多く、医院を変えるという判断は簡単なものではありません。しかし、歯科医院を変えること自体は決して悪いことではなく、患者さんの正当な権利です。大切なのは「感情」ではなく、「判断基準」を持つことです。
目次
「歯医者を変えたい」と感じる理由は人それぞれ
歯科医院を変えたいと感じる理由は、多くの場合、次のような点に集約されます。
・治療内容や治療計画の説明がよく分からない
・なぜその治療が必要なのか納得できていない
・痛みや違和感が続いているが、原因がはっきりしない
・治療がなかなか終わらず、不安が募っている
・質問しづらい雰囲気で、聞きたいことが聞けない
これらは「わがまま」でも「神経質」でもありません。治療を受ける側として、ごく自然な感情です。むしろ、違和感を無視したまま治療を続けることの方が、後悔につながるケースもあります。
判断基準①:治療内容と目的を理解できているか

後悔しないための最も重要な判断基準は、
**「自分が今、どんな治療を受けていて、最終的にどうなりたいのかを理解できているか」**です。
歯科治療には必ず「目的」があります。
虫歯を治す、痛みを取る、噛めるようにする、将来的に歯を長持ちさせる――。
その目的と、現在行っている治療が患者さん自身の中でつながっていない場合、不安は解消されません。
説明が専門的すぎる、質問しても曖昧な返答しか返ってこない、説明の時間がほとんどない。このような状況が続く場合は、一度立ち止まって考えてもよいサインと言えるでしょう。
判断基準②:不安や疑問を相談できる環境か

治療の技術以前に大切なのが、コミュニケーションの質です。
・痛みや不安を伝えたとき、真剣に耳を傾けてくれるか
・「様子を見ましょう」で終わらず、理由を説明してくれるか
・治療の選択肢やメリット・デメリットを提示してくれるか
歯科治療は、患者さんと歯科医療者が協力して進めるものです。一方通行の治療になってしまうと、どんなに技術が高くても満足度は下がってしまいます。**「相談できない」「聞きづらい」**と感じる環境は、医院選択を見直す十分な理由になります。
判断基準③:治療が「その場しのぎ」になっていないか
何度も同じ歯を治療している、詰め物や被せ物がすぐ外れる、痛みを繰り返す――。
このような場合、原因に対するアプローチが十分でない可能性があります。
歯科治療では、
・なぜそのトラブルが起きたのか
・再発を防ぐために何が必要か
を考えることが非常に重要です。
短期的な処置だけでなく、中長期的な視点での治療計画が示されているかは、大切な判断ポイントです。
判断基準④:自分の価値観と医院の方針が合っているか
歯科治療に「正解」は一つではありません。
なるべく削りたくない方、多少時間がかかっても丁寧な治療を望む方、治療回数を優先したい方など、患者さんの価値観はさまざまです。
医院の治療方針が、ご自身の考え方と大きくずれている場合、違和感が生じやすくなります。これはどちらが悪いという話ではなく、相性の問題です。相性が合わないと感じたとき、医院を変えることは自然な選択です。
セカンドオピニオンという選択肢
「転院する」と決める前に、セカンドオピニオンを受けるという方法もあります。
別の歯科医師の意見を聞くことで、今の治療方針が適切かどうかを客観的に判断できます。セカンドオピニオンは、現在の歯科医院を否定するものではなく、患者さん自身が納得して治療を受けるための手段です。
歯科医院を変えることは、前向きな選択
歯医者を変えることに、遠慮や罪悪感を抱く必要はありません。
歯科治療は、これから先の人生に長く関わる医療です。**「納得して通えること」「安心して任せられること」**が何より大切です。
もし今、少しでも迷いや不安を感じているのであれば、その気持ちを大切にしてください。自分の口腔内の健康を守るために行動することは、決して後ろ向きなことではありません。
後悔しない判断基準を持ち、納得できる歯科医療を選ぶことが、将来の健康につながります。
歯科医院を変えることにためらいを感じる理由の一つに、
「今までの治療を否定することになるのではないか」
「先生に申し訳ないのではないか」
という気持ちがあります。
しかし、歯科医療はその時点での状況・情報・治療計画に基づいて行われるものです。途中で考え方が変わったり、別の選択肢が見えてくることは決して珍しいことではありません。医療は“絶対”ではなく、“より良い選択を探し続けるもの”です。
転院は、これまでの治療を否定する行為ではなく、これからの自分の健康をより良くするための選択です。多くの歯科医師もそのことを理解しています。
転院を考えるときに知っておいてほしい現実的なポイント

一方で、歯科医院を変える際には、知っておくべき現実的な点もあります。
まず、治療の引き継ぎには情報の整理が必要です。
レントゲン、CT、治療経過、使用した材料などは、医院ごとに記録されています。新しい医院では、それらを踏まえた上で再評価を行うため、場合によっては再検査が必要になることもあります。
また、治療途中であれば、一度立てた治療計画を見直すことも珍しくありません。その際、「なぜ方針が変わるのか」「何が違うのか」をきちんと説明してもらえるかどうかが重要です。
良い歯科医院に共通する特徴とは
後悔しないためには、「どんな歯科医院を選ぶか」も重要です。
あるアンケート結果によるものですが、多くの患者さんが満足して通われている医院には、いくつか共通点があります。
・治療前に現在の状態とゴールを明確に説明してくれる
・複数の治療選択肢を提示し、判断を患者さんに委ねてくれる
・治療のメリットだけでなく、リスクや限界も伝えてくれる
・衛生管理や治療環境について説明がある
・定期的なメンテナンスの重要性を伝えている
これらは特別なことではありませんが、**「患者さんが主体的に治療に参加できる環境」**が整っているかどうかの指標になります。
「説明を受けたけれど、正直よく分からなかった」
そう感じる方は非常に多くいらっしゃいます。
「説明が分からない」のは、患者さんの理解力の問題ではありません
歯科治療は専門用語が多く、目に見えない部分の治療が中心です。そのため、理解できないのは当然であり、患者さん側の問題ではありません。本来は、理解できるまで説明するのが医療者の役割です。
質問しても納得できない、説明が毎回違う、話を遮られる。このような経験が重なった場合、「このまま任せて大丈夫だろうか」と感じるのは自然なことです。
歯科医院選びにおいて、最後に大切なのはどう感じるか?です

・この先生になら任せられる
・スタッフの雰囲気が安心できる
・通うこと自体がストレスにならない
これらは数値化できませんが、治療を継続するうえで非常に重要です。どれほど評判が良くても、自分に合わなければ意味がありません。
後悔しない選択は「納得」から生まれます
歯医者を変えるかどうかで悩んでいるということは、すでにご自身の健康と真剣に向き合っている証拠です。その姿勢は、とても大切なものです。
無理に答えを急ぐ必要はありません。
情報を集め、話を聞き、比較し、納得した上で選択すること。
それこそが、後悔しない判断につながります。
歯科治療は、人生を通して続く医療です。
「安心して通える」「信頼して任せられる」歯科医院と出会うことが、将来の口腔内の健康、ひいては全身の健康を守る第一歩になります。
もし今、迷いの中にいるのであれば、その気持ちを無視せず、ぜひ一度立ち止まって考えてみてください。
歯医者を変えることは、逃げではなく、前向きな選択です。
当院では、まずは相談からでも承ります。
お電話でのご予約▶️06−6253−2900
