医療法人 西村歯科心斎橋診療所

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2026.08.12Newコラム

医科歯科連携(地域の糖尿病医院との連携)について

糖尿病のイメージ
歯科のイメージ

こんにちは。大阪市中央区心斎橋にある西村歯科心斎橋診療所(心斎橋インプラントセンター併設)院長の秦です。

私たちが日々、患者さんの大切な歯をお守りし、笑顔で美味しい食事を楽しんでいただくために診療を続ける中で、常に心がけていることがあります。それは、「痛みや不安をできるだけ取り除くこと」、そして「なぜその治療が必要なのかを、どこよりも丁寧に分かりやすくご説明すること」です。

当院はインプラント治療をはじめとする精密な歯科治療において数多くの経験を積み重ねてまいりましたが、私たちの究極のゴールは治療そのものではなく、治療を終えた後の「予防」にあります。二度と大切な歯を失わないために、お口の健康を長く維持していくことこそが、医療法人としての真の使命だと考えています。

今回は、お口の健康が皆さんの「全身の健康」にどれほど深く関わっているか、そして当院が今後さらに力を入れていく「医科歯科連携(地域の糖尿病医院との連携)」について、専門的な言葉をできるだけ使わず、分かりやすく丁寧にお話しさせていただきます。

1. 歯医者が「全身の病気」に注目する理由

全身の病気を確認するイメージ

皆さんは、「歯医者は歯や歯ぐきだけを診るところ」と思っていませんか?実は、お口の中の環境は、全身の健康状態を映し出す鏡のようなものです。お口の中で増えた細菌や、それによって引き起こされる炎症(腫れや痛み)は、血管を通じて体中に運ばれ、様々な大病に影響を与えることが分かっています。

その中でも、特に深い結びつきがあるのが「糖尿病」です。

当院では、インプラント治療などで多くの患者さんのお口を健康な状態へと導いてきましたが、その過程で「歯周病をしっかり治療したら、体全体の調子が良くなった」「血圧や血糖値のコントロールがしやすくなった」というお声を多くいただいてきました。

私たちは、目の前の歯を治すだけでなく、患者さんにこの先10年、20年と長く健康で元気に過ごしていただきたいと願っています。そのためには、歯科の領域にとどまらず、地域の「医科(内科や糖尿病の専門医院)」と手を取り合い、一人の患者さんを総合的に支えていく「医科歯科連携」が不可欠なのです。

2. 糖尿病と歯周病の深い関係:お互いに悪影響を及ぼす「悪循環」

歯周病と糖尿病の関係

「糖尿病」と「歯周病」。一見すると、お腹の病気(代謝の病気)とお口の病気で、全く関係がないように思えるかもしれません。しかし、近年の医学・歯学の研究により、この二つの病気はまるで「双子」のように密接に関わり合っていることが明らかになりました。

歯周病は「糖尿病の第6の合併症」

糖尿病には、網膜症(目が悪くなる)、腎症(腎臓が悪くなる)、神経障害など、様々な恐ろしい「合併症」があることが知られています。そして現在では、「歯周病は糖尿病の第6の合併症である」と正式に位置づけられています。

血糖値が高い状態が続くと、体の中の血管が傷つきやすくなり、バイ菌に対する抵抗力(免疫力)が落ちてしまいます。お口の中には何百種類もの細菌が住んでいますが、体の抵抗力が落ちることで、歯周病の細菌が爆発的に元気になってしまうのです。その結果、糖尿病の方は、糖尿病でない方に比べて歯周病にかかるリスクが約2〜3倍も高くなり、症状も進行しやすいことが分かっています。

歯周病が血糖値を上げてしまう理由

さらに恐ろしいのは、これが一方通行ではないということです。歯周病が進行すると、今度は歯周病が糖尿病を悪化させてしまいます。

歯周病は、簡単に言うと「歯ぐきの骨が溶けていく慢性的な炎症(火事)」です。歯周病菌と戦うために、歯ぐきの中では様々な「炎症物質」が作られます。この物質が、歯ぐきの毛細血管から血液に乗って全身へと流れ込みます。すると、この炎症物質が、血液中の糖分を細胞に取り込むためのホルモンである「インスリン」の働きを邪魔してしまうのです。

インスリンがうまく働かなくなると、血液中の糖分が処理できず、血糖値が上がってしまいます。つまり、「糖尿病だから歯周病が悪化する」と同時に、「歯周病があるから糖尿病が治りにくくなる」という、最悪の悪循環(負のスパイラル)が生まれてしまうのです。

3. 歯周病治療が糖尿病を改善する!「HbA1c」のお話

このお話を聞くと、「そんなに恐ろしい悪循環があるなら、どうすればいいの?」と不安になってしまうかもしれませんね。でも、安心してください。ここからが、私たちが一番お伝えしたい「希望のあるお話」です。

血糖値の説明をする医師

この悪循環は、逆を言えば「歯周病をきれいに治療すれば、糖尿病も良くなる」ということなのです。

HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)とは?

糖尿病の治療や検査で最も重要視される指標に「HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)」という数値があります。これは、過去1〜2ヶ月間の血糖値の平均状態を表す数値です。

健康な方の基準値や、糖尿病患者さんが目指すべき目標値などが細かく設定されており、この数値をいかに安定させるかが糖尿病治療の鍵となります。

歯周病治療による数値の改善

多くの研究データや実際の臨床現場において、適切な歯周病治療(歯石の除去や、お口の中の徹底的なクリーニング)を行うことで、糖尿病のお薬を1種類増やしたのと同じくらい、あるいはそれ以上にHbA1cの数値が改善することが実証されています。

当院が大切にしている「予防を中心としたアプローチ」によって、お口の中の歯周病菌を減らし、歯ぐきの炎症(火事)を鎮火させると、全身を巡っていた炎症物質がピタッと止まります。すると、邪魔者がいなくなったインスリンが本来の力を発揮できるようになり、細胞がスムーズに糖を取り込めるようになるため、結果として血糖値(HbA1c)が自然と下がっていくのです。

歯医者でお口をきれいに保つことは、単に「虫歯を防ぐ」「歯を抜かないようにする」という目的だけではありません。皆さんの体を糖尿病の恐怖から守り、数値の改善をサポートするための、立派な「内科的治療の一環」でもあるのです。

4. 西村歯科心斎橋診療所が目指す「地域の医科歯科連携」

医科歯科連携のイメージ

このように、歯周病と糖尿病の治療は同時に進めていくことが最も効果的です。そのため、当院では心斎橋・大阪市中央区を中心とした地域の糖尿病専門医院や内科の先生方と、緊密な「医科歯科連携」を進めていきたいと考えています。

お互いの情報を共有し、一人ひとりに最適な治療を

具体的な連携の形として、以下のような取り組みを目指しています。

検査データの共有: 糖尿病医院での血液検査の結果(HbA1cの数値など)を当院と共有していただき、現在の体の状態に合わせた安全な歯科治療・インプラント治療を計画します。逆に、当院での歯周病の進行度合いや治療の経過を内科の主治医の先生にご報告し、薬の調整や食事指導の参考に役立てていただきます。

相互の紹介制度: 当院に歯周病の治療で来られた患者さんで、もし糖尿病の疑いがある兆候(歯ぐきが異常に腫れやすい、口が渇くなど)が見られた場合は、信頼できる地域の糖尿病医院を速やかにご紹介します。また、糖尿病医院に通われている患者さんで、まだ歯科検診を受けていない方がいれば、当院で徹底的な歯周病チェックと予防ケアを行います。

一つの病院だけで患者さんを診るのではなく、地域の医療機関がチームとなって皆さんを真ん中に囲み、お守りする。これが、私たちが理想とするこれからの地域医療の姿です。

5. 当院が大切にする「丁寧な説明」と「痛みのない・不安のない治療」

お体の病気(糖尿病など)を抱えながら歯科治療を受けることに対して、不安を感じる方は少なくありません。「麻酔は体に影響がないかしら?」「治療の痛みで血圧が上がったらどうしよう」「インプラントをしたいけれど、糖尿病があっても大丈夫?」といった疑問や不安を持たれるのは、ごく自然なことです。

だからこそ、当院では以下の3つの約束を徹底しています。

① どこよりも丁寧で、納得のいく説明

私たちは、患者さんが「何をされるか分からない」という状態が一番の不安に繋がると考えています。そのため、現在の状況、治療を行う理由、それによって得られる全身へのメリットなどを、レントゲンや写真、分かりやすい資料を使いながら、お時間をかけてじっくりとご説明します。患者さんが「これなら安心、ぜひ受けたい」と納得されてからしか治療はスタートしません。

② 心と体に優しい、できるだけ痛みのない治療

治療時の痛みを最小限に抑えるため、様々な工夫を行っています。麻酔の注射自体の痛みを和らげるための表面麻酔(塗る麻酔)の導入はもちろん、麻酔液を注入する速度を一定に保つ電動注射器の使用など、最新の技術と細心の注意を払っています。

また、お体が緊張すると痛みを感じやすくなりますので、スタッフ一同、リラックスしていただけるようなお声がけと温かい雰囲気づくりを大切にしています。

③ インプラント治療の豊富な経験による、安全な選択

当院は、インプラント治療において非常に多くの経験と実績を持っています。 「糖尿病があるとインプラントはできない」と言われたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、血糖値(HbA1c)が適切にコントロールされており、当院の徹底した歯周病治療と予防プログラム、そして医科の主治医の先生との確実な連携があれば、安全にインプラント治療を行えるケースはたくさんあります。

歯を失ってしまい、「うまく噛めないから柔らかいもの(炭水化物や糖質)ばかり食べてしまい、血糖値が上がってしまう」という悪循環に陥っている方も、しっかり噛めるインプラントを入れることで、バランスの良い食事(野菜や肉などの繊維質)が摂れるようになり、結果として糖尿病の改善につながったという事例も多くございます。

ここで、当院のホームページより、インプラント治療と歯周病、そしてメンテナンス(予防)の重要性についての考え方を引用してご紹介いたします。

【当院ホームページ(インプラントのメインテナンスページ)より引用】

インプラント治療の様子

インプラント治療は、手術が終わればすべて完了というわけではありません。インプラントを長持ちさせるためには、治療後の「メインテナンス(定期健診とクリーニング)」が最も重要です。 インプラント自体は人工物なので虫歯にはなりませんが、歯ぐきや骨などの周囲の組織は生身の体です。お口の中のお手入れが不十分だと、天然の歯と同じように「インプラント周囲炎」という、いわばインプラントの歯周病にかかってしまいます。インプラント周囲炎が進行すると、せっかく入れたインプラントを支える骨が溶けてしまい、最悪の場合、インプラントが脱落してしまう原因になります。 当院では、インプラント治療を専門的に行うセンターとして、治療前にお口全体の歯周病を徹底的に治療することはもちろん、治療後も患者さん一人ひとりに合わせた予防・メインテナンスプログラムをご提供し、インプラントとお口全体の健康を末永くサポートいたします。 (引用元:西村歯科心斎橋診療所 公式ホームページ 「インプラントのメインテナンス」ページより)

このように、インプラントを長持ちさせるためにも、糖尿病を悪化させないためにも、すべての根底にあるのは「歯周病のコントロール(予防)」なのです。

6. まとめ:お口から始まる、一生モノの健康づくり

健康な体をつくる第一歩は、毎日のお食事を美味しく、しっかりと噛んで食べることから始まります。そして、そのお口を健康に保つことが、巡り巡って糖尿病などの全身の病気を防ぎ、改善することに直結しています。

私たちは、大阪市中央区心斎橋の地で、インプラントのプロフェッショナルとしての確かな技術と豊富な経験を持ちながら、何よりも「予防」を基盤とした医療をご提供しています。 「最近、歯ぐきから血が出るな」「糖尿病の数値がなかなか下がらないな」「歯をしっかり治して、これからの人生を元気に楽しみたい」 そんな思いをお持ちの方は、ぜひ一度、当院にご相談ください。

あなたが抱える不安にどこまでも寄り添い、現在の状態を丁寧にご説明した上で、お体にも心にも負担の少ない、最適な治療と予防の計画を一緒に考えてまいりましょう。地域の糖尿病医院の先生方ともしっかり手を携え、あなたの全身の健康を全力でバックアップいたします。

皆さんのご来院を、スタッフ一同、心よりお待ちしております。

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