医療法人 西村歯科心斎橋診療所

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2025.09.17コラム

虫歯治療の後にしみる理由とは?

虫歯と歯の構造

はじめに

こんにちは。心斎橋駅から徒歩1分にある西村歯科 心斎橋診療所で院長をしております秦です。

虫歯の治療をした後、「冷たい水がしみる」「甘いものを食べると痛む」といった経験をしたことはありませんか?
治療を受けたのにまだ痛みやしみる感覚が残っていると、「治療は失敗だったのかな?」「また虫歯が残っているのでは?」と不安になる方も多いでしょう。

実は、虫歯治療後にしみる症状が出るのは珍しいことではなく、多くの患者さんが体験しています。ほとんどの場合は一時的な反応で、時間が経てば自然に落ち着くことも多いのです。

このコラムでは、患者さんが安心していただけるように「なぜ虫歯治療の後にしみるのか」「しみるのはどれくらい続くのか」「自宅でできる対策はあるのか」などを、できるだけ分かりやすい言葉で解説していきます。

しみる感覚の正体

「歯がしみる」とは具体的にどのような状態なのでしょうか?

歯は表面を「エナメル質」が覆っており、その内側には「象牙質」、さらに奥には「歯髄(神経)」が存在します。普段はエナメル質が守っているので、冷たい水や熱い食べ物の刺激が直接神経に届くことはありません。

しかし、虫歯治療の後は歯の構造に変化が起きたり、詰め物との間で微妙な刺激が伝わりやすくなることがあります。その結果、冷たい飲み物や甘いものが神経に近い部分に触れ、ピリッとしみるような感覚が生じるのです。

虫歯治療前と治療後の歯のイメージ

例えば、冷たいアイスを食べたときに一瞬キーンとすることがありますが、それが「神経が敏感になっているサイン」です。これは決して異常なことではなく、体が反応している自然な現象だと言えるのです。

虫歯治療後にしみる主な原因

虫歯治療の後にしみるのは、いくつかの理由があります。ここでは代表的な原因を紹介します。

歯の神経が一時的に敏感になっている

虫歯の治療では、虫歯の部分を削り取ります。

その際、神経に近いところまで処置が及ぶことがあり、その刺激で一時的に神経が敏感になることがあります。これは「治療のダメージ」によるもので、数日〜数週間で落ち着いていくことが多いです。

詰め物や被せ物の刺激

詰め物や被せ物をした直後は、まだ歯と材料が完全になじんでいないことがあります。

そのため、食べ物や飲み物の温度変化に敏感に反応してしまうのです。特に金属の詰め物は熱を伝えやすいため、しみやすい傾向があります。

治療中の摩擦や振動の影響

歯を削る際の「キーン」という振動や摩擦が神経に伝わり、治療後に敏感になってしまうことがあります。これは一時的なもので、通常は時間が経てば自然に落ち着きます。

歯の小さなヒビや象牙質の露出

治療の過程で歯に微細なヒビが入ったり、象牙質が露出すると、刺激が直接神経に伝わりやすくなります。これが「しみる」原因のひとつです。

噛み合わせのズレによる負担

治療後に詰め物がわずかに高い場合、噛んだときに余分な力がかかり、歯がダメージを受けてしみることがあります。この場合は、歯科医院で詰め物の高さを調整するだけで改善することもあります。

しみる症状はどのくらいで落ち着く?

歯がしみる女性

「治療してからどのくらいでしみるのが治まるのか?」これは多くの患者さんが気になる点です。

通常、軽いしみる症状であれば数日から2週間程度で自然に落ち着くことが多いです。特に神経が一時的に敏感になっている場合は、時間とともに回復していきます。

ただし、1か月以上しみる症状が続く場合や、しみるだけでなくズキズキとした強い痛みが出る場合は注意が必要です。虫歯が深く進行して神経が炎症を起こしている可能性があり、その場合は追加の治療が必要になることがあります。

自宅でできる対処法

虫歯治療後の「しみる」感覚は一時的なことが多いですが、日常生活の工夫で症状を和らげることができます。ここでは、自宅でできる具体的な対処法をご紹介します。

冷たい飲食物を控える

治療後は、冷たい飲み物やアイス、氷などが神経に直接刺激を与えやすくなっています。

特に治療直後の数日は、できるだけ常温か温かいものを選ぶようにすると安心です。「冷たいものを飲みたい」と思ったら、ストローを使って歯に直接触れないようにするのもひとつの方法です。

知覚過敏用歯磨き粉の使用

市販の「知覚過敏ケア用」の歯磨き粉には、刺激の伝わりを抑える成分が含まれています。

これを毎日の歯磨きで使うことで、しみる症状を和らげることができます。効果を実感するには数週間ほど続けることが大切です。

優しい歯磨き習慣

強い力でゴシゴシ磨くと、歯や歯ぐきに余計なダメージを与えてしまいます。

歯ブラシはやわらかめを選び、ペンを持つように軽い力で小刻みに磨くのがポイントです。歯ぐきの近くは特に丁寧に、でも優しく磨いてあげましょう。

食生活の工夫

甘いお菓子や酸っぱい飲み物は、歯の表面を刺激しやすいので、しみやすさを悪化させることがあります。

治療後しばらくは甘味や酸味を控えめにし、バランスの取れた食事を心がけると回復がスムーズになります。

歯科医院で必要な場合の追加治療

歯科医院の様子

もし「しみる」が長く続く、あるいはだんだん悪化していると感じた場合には、歯科医院で追加の治療が必要になることがあります。

詰め物の調整

詰め物や被せ物の高さがほんのわずかでも高いと、噛むたびに歯に余計な力が加わり、神経が炎症を起こしやすくなります。この場合、歯科医師が詰め物を少し削って調整するだけで改善することが多いです。

知覚過敏の処置

歯の表面に薬剤を塗布して刺激をブロックする処置があります。これによって、冷たいものや甘いものにしみる症状を抑えることができます。

神経の治療が必要になる場合

症状が強く、ズキズキとした痛みが続く場合は、歯の神経が炎症を起こしている可能性があります。この場合は「神経を取る治療(根管治療)」が必要になることもあります。これは最終的な手段ですが、放置するとさらに痛みが強くなり、腫れや膿が出ることもあるため、早めの対応が重要です。

治療後のしみを防ぐために

「できれば治療後にしみないようにしたい」と思う方も多いですよね。完全に防ぐことは難しいですが、いくつかの工夫でリスクを減らすことができます。

虫歯を早めに治すことの大切さ

虫歯が大きく進行してから治療すると、どうしても神経に近い部分まで削る必要があり、しみる可能性が高まります。小さい虫歯のうちに治療すれば、神経への刺激も少なくて済みます。

定期検診での予防

定期的に歯科医院でチェックを受けることで、虫歯を早期発見できるだけでなく、歯石や汚れを落とすことで知覚過敏の予防にもつながります。3〜6か月に一度の定期検診を習慣にすると安心です。

まとめ

虫歯治療の後に「しみる」ことは、多くの人が体験するごく自然な現象です。ほとんどの場合は一時的で、時間が経つにつれて落ち着いていきます。しかし、症状が長く続いたり、強い痛みに変わった場合には早めに歯科医院で相談することが大切です。

自宅での工夫や定期検診によって、治療後の不快な症状を最小限に抑えることができます。安心して治療を受けられるように、正しい知識を持っておくことが何よりの予防になります。

よくある質問(FAQ)

Q1: 治療していない歯もしみることがあるのですか?
A: はい。歯ぐきが下がって象牙質が露出していると、治療していない歯もしみることがあります。

Q2: どのくらい続いたら受診すべきですか?
A: 1か月以上症状が続く場合、または強い痛みに変わった場合は受診をおすすめします。

Q3: 知覚過敏と虫歯の違いは?
A: 知覚過敏は一瞬の「しみ」が特徴ですが、虫歯は持続的な痛みや食事中の違和感が出ることが多いです。

Q4: 甘いものだけでしみるのは大丈夫ですか?
A: 甘いものにだけしみる場合は、虫歯が残っている可能性もあるため、歯科医師に相談したほうが安心です。

Q5: しみなくても再治療が必要なことはありますか?
A: はい。しみる症状がなくても、詰め物の下で虫歯が進行しているケースもあるため、定期検診が重要です。

当院では治療後に出来るだけ痛みや”しみ”が出ないように細心の注意をはらって治療にあたります。

治療後2週間以上しても”しみる”のは再度治療が必要な場合がございます。

もし治療後に気になるようでしたら、当院にいらしてください。

予約はWebでも承っております。
https://planetdentale.com/reserve/about.php?web_code=4bafff33a131c05847acb798fd98e09513b212d598a35dd7880cf9d930dd0b62


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