医療法人 西村歯科心斎橋診療所

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2026.09.09Newコラム

「手術が怖い…」インプラントの痛みはどのくらい?麻酔や術後の経過を歯科医が本音で解説

インプラント手術を行う様子

こんにちは。大阪市中央区心斎橋にある西村歯科心斎橋診療所(心斎橋インプラントセンター併設)院長の秦です。

「歯を失ってしまい、しっかり噛めるインプラントに興味はあるけれど、手術と聞くだけで怖くてたまらない……」 「顎の骨に金属のネジを埋め込むなんて、どれほど痛いのだろう……」

カウンセリングにいらっしゃる患者様から、このようなご不安や恐怖の声を本当によく伺います。歯科医師として数多くのインプラント手術を行ってきた私から最初にお伝えしたいのは、「そのように怖がるのはごく自然なことです」ということです。

お口の中というご自身では見えないデリケートな場所で外科処置を受けるわけですから、緊張や恐怖を感じない方のほうが珍しいくらいです。だからこそ当院では、インプラントの豊富な治療実績と、歯を守る「予防歯科」の観点を軸に、患者様が少しでも安心して治療に臨めるよう、痛みの軽減と丁寧な説明を何よりも大切にしています。

今回は、インプラント手術の痛みについて、手術中・麻酔時・術後の経過まで、歯科医師の本音で分かりやすく解説いたします。痛みの正体と仕組みを知ることで、少しでもお気持ちの負担を軽くしていただければ幸いです。

1.結論から言うと「手術中の痛み」はほとんどありません

痛みを感じることなくインプラント手術を終えた笑顔の女性

多くの方が想像されるのが「骨を削ったり器具を入れたりするときに激痛が走るのではないか」という点です。しかし結論から申し上げますと、手術中に強い痛みを感じることは基本的にありません

インプラント手術は、十分な効果を発揮する局所麻酔をしっかり効かせた状態で行います。この麻酔は、通常の虫歯治療で神経を取る際や、抜歯を行う際に使うものと同様の医療用麻酔です。

麻酔がしっかりと効いている状態であれば、痛覚(痛みを感じる神経)は完全にブロックされます。感じる感覚としては「押されているような圧迫感」や「器具が触れている振動」程度であり、「ズキズキするような鋭い痛み」は起こりません。

適切に麻酔を行いますので術中の痛みは普通の抜歯や親知らずの抜歯などと比べ物にならないくらい痛みはございません。

2.麻酔注射そのものの痛みを極限まで減らす工夫

歯の治療に使用する麻酔のイメージ

「手術中に痛くないのは分かったけれど、その前の『麻酔の注射』が痛くて大嫌い」という方も少なくありません。歯医者の麻酔の「チクッとする瞬間」や「薬液が入るときの圧迫感」は、大人であっても嫌なものです。

当院では、この麻酔時のストレスを徹底的に取り除くため、さまざまな工夫を行っています。

当院HP(コラム「痛みの少ない治療とリラックス麻酔ガイド」)より引用:

・ステップ①:表面麻酔(塗る麻酔)で入り口をガード
:いきなり針を刺すことは絶対にありません。まず、歯茎の表面にジェル状の「表面麻酔」を塗り、数分待ちます。これにより、針が刺さる瞬間の皮膚の感覚を麻痺させます。
・ステップ②:極細の針の使用
:当院では、現在医療業界で流通している中で最も細いレベルの注射針を使用しています。髪の毛ほどの細さなので、皮膚の痛点(痛みを感じるセンサー)を避けて刺入しやすく、痛みを最小限に抑えられます。
・ステップ③:麻酔液を「人肌」に温める
:麻酔液と体温の「温度差」が痛みの一因になります。冷たい液体が体内に入ると、圧力と刺激で痛みを感じます。そのため、専用の保温器を使い、麻酔液を常に37℃程度の人肌に温めています。
・ステップ④:電動麻酔器で「一定の速度」で注入
:麻酔で最も痛いのは、実は針を刺す時ではなく、「液を注入する時」です。コンピューター制御により、ゆっくりと一定の低速度で麻酔液を注入することで、圧力をコントロールし、痛みをほとんど感じさせずに麻酔を効かせることができます。

痛いのが怖い、麻酔が怖いなど心配な方はこちらを参考にしてください。

このように、当院では注射を打つ前の段階から段階的な配慮を重ねているため、多くの患者様から「いつ針が入ったのか分からなかった」「思っていたよりもずっと楽だった」というお声をいただいております。

3.恐怖心が強い方へ:うたた寝している間に終わる「静脈内鎮静法」

静脈麻酔をするイメージ

どれほど「痛くない工夫」を説明されても、「器具の音や振動を聞くだけで心臓がバクバクしてしまう」「過去のトラウマでどうしても体が強張る」という患者様もいらっしゃいます。

そのような極度の恐怖心や不安をお持ちの方には、「静脈内鎮静法(セデーション)」という選択肢をご用意しています。

静脈内鎮静法とは?

腕の静脈から点滴でリラックス作用のある鎮静薬を投与し、半分眠っているような「うたた寝」に近い状態を作る麻酔方法です。全身麻酔とは異なり、呼吸はご自身の力で自然に行い、医師からの簡単な呼びかけには応じられる状態を保ちます。

静脈内鎮静法の大きな特徴

①治療中の記憶がほとんど残らない(健忘効果)

薬の作用により、手術中の恐怖感、器具の音や振動などの嫌な感覚をほとんど覚えていません。手術が終わって目が覚めると、「えっ、もう終わったんですか? 5分くらい寝ていただけの気がします」とおっしゃる方が大半です。手術時間が1時間のケースでもそのようにおっしゃる方は多くいらっしゃいます。


②血圧や心拍数が安定し、安全性が高まる

強い緊張状態にあると、血圧が急上昇したり脳貧血を起こしたりすることがあります。静脈内鎮静法を用いると精神的なストレスが取り除かれるため、全身状態が非常に安定します。高血圧や持病をお持ちの方にとっても安全な方法です。


③専門の麻酔管理体制

当院では生体モニターを使用し、血圧・脈拍・血中酸素飽和度などを常時監視しながら処置を進めますので、どうぞご安心ください。
「どうしても手術が怖くて前に進めない」という方は、ぜひ事前のカウンセリングでご相談ください。

4.手術後の痛みや腫れはいつまで続く?回復の経過

手術が終わって麻酔が切れた後の状態についても、ありのままを丁寧にお伝えします。

当院の公式HPでも解説している通り、手術後の痛みや腫れは生体が傷を治そうとする自然な防御反応です。

・手術直後〜数日間の痛み: 手術当日は麻酔が切れると鈍い痛みが出てきます。処置後に全く痛みがないとおっしゃる方も多くいらっしゃいます。2~3日目がピークで、その後徐々に落ち着いていきます。腫れも同じように数日で治まるのが一般的です。
・骨や歯ぐきのダメージ: 骨や歯ぐきは手術によって刺激を受けます。手術後はまだ組織が回復途中のため、噛んだときや触れたときに違和感を感じることがあります。

インプラント手術後の痛みについてもう少し知りたい方はこちらを参考にしてください。

術後の経過スケジュール(目安)

インプラント手術後に痛みを感じる女性

・当日(麻酔が切れた後):
手術後2〜3時間ほどで麻酔が切れてきます。ジンジンとする鈍い痛みが出てきますが、処方された痛み止め(鎮痛消炎剤)を指示通り服用していただくことで十分にコントロール可能です。
・翌日〜3日目(痛みのピーク):
この時期が痛みと腫れのピークとなります。抜歯後と同じような重だるい痛みや頬の腫れ、熱っぽさを感じることがありますが、痛み止めで抑えられる範囲であることがほとんどです。
・4日目〜1週間後:
腫れや痛みがスーッと引いていき、日常生活にほとんど支障がなくなります。
・1〜2週間後(抜糸):
歯茎の傷口がふさがり、縫合した糸を抜きます(抜糸も痛みはございません)。    この頃には違和感もかなり減っていきます。

※骨造成(骨を増やす処置)を同時に行った場合や、複数本を同時に埋入した場合は、通常より腫れが少し長く続くことがありますが、これらも一時的なものです。

5.術後の痛みを早く和らげるための過ごし方と注意点

手術後の回復を早め、余計な痛みを出さないためには、術後の過ごし方にもいくつか大切なポイントがあります。

・患部を過度に冷やしすぎない
:手術当日に熱っぽさがある場合は、冷たいタオルなどを頬の外側に軽く当てる程度なら問題ありません。ただし、氷や保冷剤でキンキンに冷やし続けたり、翌日以降も冷やしすぎたりすると、血流が悪くなり組織の回復が遅れてしまうため注意が必要です。
・激しい運動・長風呂・飲酒を控える
:血行が急激に良くなると、出血や腫れ、ズキズキとした痛みが強くなります。手術当日はシャワー程度にとどめ、安静にお過ごしください。
・強くうがいをしない・舌や指で触らない:
お口の中に血の味がすると何度もうがいをしたくなりますが、強くすすぐと傷口を塞ぐための血の塊(血餅)が剥がれてしまい、骨が露出して激しい痛みの原因になります。うがいは優しくゆすぐ程度に留めてください。
・刺激の少ない柔らかい食事をとる:当日はおかゆ、柔らかいうどん、スープ、ゼリーなど、噛む負担が少なく刺激のない食事を心がけ、手術した部位とは反対側で優しく噛むようにしてください。



6.「予防歯科」を中心とする当院が、なぜインプラントに力を入れているのか

当院は、単にインプラントを埋めるだけの歯科医院ではありません。根底にあるのは「患者様ご自身の天然の歯を、生涯にわたって1本でも多く守り続ける」という予防中心の理念です。

一見すると「歯を失った後の治療」であるインプラントと「歯を守る予防」は対極にあるように思えるかもしれません。しかし、実はインプラントこそが残された他の健康な歯を守るための最も有効な予防的アプローチになり得るのです。

周りの歯を犠牲にしない唯一の選択肢

歯を1本失った場合の主な治療法には「入れ歯」「ブリッジ」「インプラント」の3つがあります。

・ブリッジの場合:
両隣の健康な歯を大きく削って土台にする必要があり、削られた歯の寿命は大幅に縮んでしまいます。さらに、失った歯にかかる負担も両隣の歯が背負うことになります。
入れ歯の場合:
バネ(クラスプ)を引っ掛ける健康な歯に強い横揺れの力が加わり、年数を経るごとにその歯がグラグラして抜けてしまうリスクがあります。

一方、インプラントは顎の骨に自立して噛む力をしっかり支えるため、周りの健康な歯を1本も削る必要がなく、余計な噛み合わせの負担もかけません。

つまり、インプラントでしっかりとした噛み合わせを再構築することは、残っているご自身の歯を将来の抜歯から守る「予防」そのものなのです。豊富な臨床経験を持つからこそ、私たちは骨の状態やお口全体のバランスを細部まで見極め、長期にわたって機能する精密な治療を提供しています。

7.「納得できるまでしっかり説明する」ことが最大の安心につながる

治療中の痛みを取り除く技術や設備はもちろん大切です。しかし、私たちがそれ以上に重要視しているのは、「患者様のお話を丁寧に伺い、納得いただけるまでしっかりと説明すること」です。

患者様が恐怖を感じる大きな要因の一つは、「口の中で今何が行われているのか分からない」「どんな手順で進むのか見当がつかない」という先が見えない不安(予期不安)です。

カウンセリングを行う様子

当院では、以下のステップを徹底しています。

①カウンセリングで疑問や恐怖心をすべて伺います

「麻酔が効きにくかった経験がある」「痛みに極端に弱い」など、どんな些細なことでもお話しください。決して無理に治療を進めることはいたしません。
当院では専任のトリートメントコーディネーターが在籍しています。

②精密検査とシミュレーションによる分かりやすい事前説明

歯科用CTなどの精密機器を用いて骨の厚みや神経・血管の位置を立体的に把握し、「どのような手順で手術を行い、どの程度の時間がかかるのか」を分かりやすくご説明します。

③処置中のこまめなお声がけと合図の確認

手術中も「今から少し押される感覚がありますよ」「あと数分で終わりますよ」とお声がけを行いながら進めます。万が一苦しい時や休憩したい時は、左手を挙げていただければいつでも治療を中断いたします。

一歩を踏み出す不安を、私たちと一緒に解消しましょう

「インプラントの手術が怖い」と感じるのは、ご自身のお体を大切に考えていらっしゃるからこその自然な感情です。

現在の歯科医療技術、そして当院が実践する痛みに配慮した取り組みや静脈内鎮静法を用いれば、痛みを最小限に抑えながら、安全かつ穏やかに治療を受けていただくことが十分に可能です

失ってしまった歯の機能を回復し、再び「何でも美味しく噛める喜び」「口元を気にせず思い切り笑える毎日」を取り戻すために、まずはカウンセリングでお悩みをお聞かせいただけませんか?

無理にインプラントをおすすめすることは一切ございません。お口全体の健康を見据え、患者様にとって一番負担の少ない方法を一緒に考えていきましょう。

皆様のご来院を、スタッフ一同心よりお待ちしております。

お口のことで少しでも気になることがございましたら、まずは安心してご相談ください。
丁寧にお話をお伺いいたします。

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