2025.11.24Newコラム
歯の色がくすむ原因5選〜あなたの生活習慣、大丈夫?〜
目次
歯の色がくすむと印象が変わる?

鏡を見たとき、「なんだか最近、歯が黄色っぽい…」と感じたことはありませんか?
実は、歯の色というのはその人の印象を大きく左右します。白くてツヤのある歯は清潔感があり、笑顔を明るく見せてくれます。一方で、くすんだ歯は疲れた印象や不健康なイメージを与えてしまうことも。
歯科衛生士として日々患者さんと接していると、「どんなに丁寧に磨いても歯の色が戻らない」と悩む方が本当に多いです。
でも安心してください。歯のくすみには必ず原因があります。そして、生活習慣を見直すことで防ぐことができます。
この記事では、歯のくすみの主な原因を5つに分けて解説しながら、今日からできる予防法やケアのポイントをお伝えします。
歯の色のメカニズム:なぜ白さが失われるのか

歯の色は、実は「白」ではなく「半透明のエナメル質」と「その下の象牙質の色」が混ざった自然なアイボリー色です。
このため、エナメル質が薄くなったり、象牙質が濃くなったりすると、全体的に黄ばみやくすみが目立つようになります。
また、食べ物や飲み物の色素(ステイン)や、タバコのヤニなどが歯の表面に付着することで、さらに色が濃く見えるようになるのです。
「歯のくすみ」とは、
1.外側の汚れによるもの(外因性変色)
2.内側の構造や年齢などによるもの(内因性変色)
この2つの要因が関係しています。
原因①:飲食物による着色汚れ(ステイン)

日常生活で最も多いのが、飲食物による着色です。特にコーヒー、紅茶、赤ワイン、カレー、チョコレート、ソース類などは色素が濃く、歯の表面に残りやすい食品です。
毎日の習慣として「朝のコーヒー1杯」や「午後の紅茶」が積み重なると、少しずつステインが蓄積していきます。これが歯の表面のザラつきやくすみの原因となるのです。
【対策ポイント】
・食後や飲食後に軽くうがいをする。
・コーヒーやワインはストローを使って飲むと、歯への接触を減らせる。
・着色除去効果のある歯磨き粉を週数回取り入れる(ただし研磨剤に注意)。
・定期的に歯科でのクリーニングを受ける。
歯科衛生士の立場から言えば、日常の飲み物の選び方と「すぐうがい」の習慣だけでも、歯の白さの保ち方が大きく変わります。
原因②:喫煙によるヤニ汚れ

喫煙者の方の歯を見ると、独特の茶色いヤニ汚れがついていることがあります。これはタバコに含まれるタールとニコチンによるものです。これらの成分は歯の表面に強く付着し、歯ブラシでは落としきれません。
また、ヤニはただ見た目を悪くするだけでなく、歯垢(プラーク)を吸着しやすくし、虫歯や歯周病のリスクを高めます。
禁煙の美容的メリット:
禁煙を続けると、歯や舌の汚れが減るだけでなく、口臭も軽減され、歯ぐきの血色が良くなります。つまり、歯の白さだけでなく、口元全体の「清潔感」が取り戻せるのです。
歯科医院では、ヤニ取り専用の器具やクリーニングを行うことで、喫煙によるくすみをある程度リセットすることができます。しかし、根本的な解決はやはり「吸わないこと」。白く健康的な笑顔を目指すなら、まずは一本減らすところから始めてみましょう。
原因③:加齢によるエナメル質の変化

年齢を重ねるにつれて、歯の色が少しずつ黄色っぽく見えるようになるのは自然な現象です。
理由は、歯の表面を覆っている「エナメル質」が少しずつすり減り、内側の「象牙質(ぞうげしつ)」が透けて見えるようになるためです。象牙質はもともと黄色みを帯びた色をしているため、エナメル質が薄くなると全体の色調が暗く見えてしまいます。
さらに、長年の飲食やブラッシング摩耗、酸性食品の摂取によってもエナメル質はダメージを受け、透明感が失われていきます。これが「年齢とともに歯のツヤがなくなる」と感じる正体です。
加齢によるくすみを防ぐには?
・酸性飲料の摂り方に注意:炭酸飲料やレモン水などを頻繁に飲むと、エナメル質が溶けやすくなります。飲んだあとは水で口をゆすぎましょう。
・定期的なメンテナンス:歯科医院でエナメル質を保護するフッ素塗布やPMTC(プロによるクリーニング)を受けると効果的です。
歯の老化は避けられない部分もありますが、ケア次第で「見た目年齢」を左右することができます。年齢を重ねても白くツヤのある歯を保つ人は、生活習慣と歯の磨き方にこだわっている方が多いですよ。
原因④:歯磨きの仕方・ケア不足

「毎日きちんと磨いているのに、歯が黄ばんで見える」という方は磨き方に問題があるかもしれません。
強くゴシゴシ磨いてしまうと、エナメル質がすり減って象牙質が透けやすくなります。逆に、力を抜きすぎて汚れが残ってしまえば、プラークが蓄積して着色しやすい状態になります。
歯科衛生士としておすすめしたいのは、「優しく、ていねいに、長く磨く」こと。歯ブラシの毛先を歯と歯ぐきの境目に45度の角度で当て、細かく動かします。1本1本を意識することが、実は最も効率的です。
さらに効果的なケア方法:
・デンタルフロスや歯間ブラシを使って歯と歯の間を清掃する。
・電動歯ブラシをうまく使うことで、手磨きよりムラが少なくなる。
・着色除去効果のある歯磨き粉を使うときは、研磨力の低いものを選ぶ。
また、「磨きすぎ」も要注意です。特に研磨剤入りのホワイトニング歯磨き粉を毎日使うと、表面を削りすぎて逆に着色がつきやすくなることもあります。
歯の白さを守るには、“落とすケア”と同時に“守るケア”を意識することが大切なのです。
原因⑤:薬や疾患による変色

中には、生活習慣だけでなく「体の中から」歯の色が変化するケースもあります。代表的なのが「テトラサイクリン歯」と呼ばれるもの。
これは、子どもの頃にテトラサイクリン系の抗生物質を服用したことによって、永久歯の形成期に歯がグレーや茶色っぽく変色してしまう現象です。
また、フッ素を過剰に摂取した場合に見られる「フッ素症(斑状歯)」もあります。これらは外からの汚れではないため、通常のクリーニングでは落とせません。
治療・改善法としては:
・ホワイトニング:軽度の変色には有効。
・ラミネートベニア:歯の表面に薄いセラミックを貼る治療。
・セラミッククラウン:歯全体を白い被せ物で覆う方法。
歯科衛生士の目線で言えば、こうした「内因性変色」は早期に歯科医師と相談することが大切です。自分ではどうにもならないと思っていた悩みも、適切な治療法を選べば改善できます。
歯のくすみを防ぐ日常習慣5選

日常の小さな積み重ねが、白く輝く歯を守る最大のポイントです。ここでは今日から取り入れられる簡単な習慣を紹介します。
1.食後のうがいを習慣に
食後すぐに水で軽くうがいをするだけでも、色素の沈着を防げます。
2.ストローを活用する
コーヒーや紅茶をストローで飲むことで、歯への接触時間を減らせます。
3.定期的な歯科クリーニング
プロによるクリーニング(PMTC)は、自宅ケアでは落とせないステインを除去できます。
4.ホームケアとプロケアの両立
歯磨きやフロスは毎日の基本。そこに3〜6か月ごとの歯科メンテナンスを組み合わせるのが理想的です。
5.バランスのとれた食生活
カルシウムやビタミンCを意識的に摂取することで、歯と歯ぐきの健康をサポートします。
どれも難しいことではありませんが、継続こそが美しい歯を守る鍵。無理なく続けられる工夫を見つけましょう。
まとめ:今日からできる歯のくすみ対策

歯の色がくすむ原因は、日々の飲食や喫煙、加齢、ケア不足、そして体の内側の要因など、さまざまです。
でも、その多くは「生活習慣を少し見直すこと」で防ぐことができます。
まずは、
・コーヒーやワインを飲んだらうがいをする
・優しく丁寧に歯を磨く
・定期的に歯科クリーニングを受ける
この3つを意識するだけで、歯の白さと清潔感はぐんと変わります。
そして、白さだけにこだわらず、「健康で清潔な口元」を目指すことが何より大切です。
歯の色はあなたの生活習慣の鏡。
今日から少しずつ、“輝く笑顔”を取り戻す習慣を始めてみませんか?
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