医療法人 西村歯科心斎橋診療所

06-6253-2900

9:30〜18:00(日・祝は除く)

menu close

2024.06.05コラム

歯の神経の治療(根管治療)は回数(時間)がかかる?

痛みが出てやむなく歯の神経を取ることがあります。
歯医者にいらっしゃる理由の多くが痛みであるため、歯の神経の治療(根管治療)は一般的な治療です。

私が歯医者になりたての頃、当時の院長に”歯の神経の治療くらいちゃんとできて一人前や”と言われてましたが、根管治療は初歩的な治療ではなく本当に難易度の高い治療だと思います。
もし私が卒後間もない歯科医師に言うとすれば、”根管治療は非常に難しい治療だから、これから歯科医師として目の前の根管治療に対してずっと真剣に向き合って研鑽を積めば、いつか上手に治療ができるようになるから頑張って!”と言うでしょう。
日本の保険制度のもとでは一般的な治療で、安価ですから、まるで簡単な治療と思われることが少なからずあります。
しかし歯を長く維持させようと考えると非常に重要な治療です。

1、歯の神経の治療(根管治療)とは何?

根管治療のイメージ図

虫歯が進行すると痛みを除くために歯の神経(歯髄)を取り除く必要があります。
感染した神経を全て取り除き、洗浄、消毒した後、菌が増殖しないように充填します。
この一連の治療の流れを歯の神経の治療、歯の根っこの治療、根管治療と言います。
歯医者さんでは患者さんが理解できるように色々な言葉に置き換えて説明していると思いますが、あまりイメージのつきにくい治療ですよね。
また根管治療には、神経をとる根管治療と過去に歯医者さんで治療を受けた部位を再度治療する感染根管治療があります。
治療の難易度は後者の再治療の方が格段と難しくなります。

2、なぜ回数、時間がかかるのか?

① 歯、歯根(歯の根っこ)の形は解剖学的に特徴はありますが、個人個人違います

歯、歯根の写真

歯の神経も曲がり方(湾曲度)もそれぞれ違います。
例えば下の歯(下顎)の第一大臼歯は神経(根管)が4つあることがあります。
なんと4つとも特徴が違います。
根管の入り口は狭いけど、湾曲が少ない、根管の入り口は狭いけど湾曲が大きい。
根の先だけ90度に曲がっている、円錐形、楕円形など様々な形態をしている歯に対応しないといけません。
それぞれの場合において難易度が違いますので治療回数や時間が違います。
言い換えれば簡単な場合は時間も回数も少ないので歯科医師にとっても、患者さんにおいても”ラッキー”かも知れません。

② 根管の石灰化が進んでいて、処置することが困難な場合もあります。

少し難しい話ですが、歯の神経は年齢が重なると細くなっていきます。
理由は歯を構成している象牙質が新生されて起こる現象です。
その現象が起きると根管の入り口が石灰化して探索が難しかったり、器具が到達が困難になり、難易度が非常に高くなります。
一般的な治療器具では治療が難しくて、歯科用マイクロスコープや歯科用CTや様々な器具が必要となります。

③ 前医の治療が担当医と違って複雑になっている。

根管治療には感染根管治療(再治療)があり、以前に治療した歯を再度根管治療するケースが多くあります。
時代によって根管治療の方法も変遷があり、当時の治療法が現在では否定されていることは医療業界において多々あることです。

なので再治療をする時に根管の中が複雑になっていること、悪くなっている原因が複数存在することがあり、治療を困難にしてしまいます。

3、治療中、治療後の痛みについて

ニッケルチタン

① 神経が残っている。

神経が残っていると治療中に痛みが生じます。
ファイルという針のような形をした器具を使って治療をするのですが、触った時に痛いのは神経がまだ残っていることがあります。

② 菌や汚れが根の先から出てしまう。

治療中どうしても起こることなので、できるだけ繊細な治療が必要です。
根管治療をして器具をすすめると、”切削片”が出ます。
その”切削片”を根管口(根管の入り口)から出ていくように洗浄を繰り返したり、工夫が必要です。

③ 根っこの先(根尖)が割れている。

見えないところでヒビ割れがあり痛むことがあります。
歯の根っこを構成するセメント質が経年的に厚くなって、ヒビが起きていることがあります。
汚れを取ろうと根の先(根尖)を触りすぎるとヒビが起きることがあります。

④ 噛んで痛い。

治療の歯はできるだけ噛むのを避けましょう。
治療の為に歯を削っているため、歯が薄くなっており欠けやすくなっています。
最悪の場合、破折して抜歯に至ることもありますので注意が必要です。
治療後も噛めない場合は治癒していない事や、歯に”ヒビ”がある場合があります。
”ヒビ”は目で確認できるものもあれば、見えない”ヒビ”もあり非常に診断が難しい場合があります。

⑤ 触れていることを痛みと勘違いしてしまっている。

私の臨床経験になりますが、どうしても治療中に痛みがあり、なかなか治療が進まない方がいらしゃいました。
大抵の治療はクリアーしてきた私ですが、常識的に考えますと、普通は根管のどこかを触れば痛むのですが、(もちろんその方もそうでしたが)精密治療用の顕微鏡で見ながら治療している時、歯にも触れてないのに”そこが痛い”とおおよそ同じ場所で痛みをおっしゃいました。
そのことを患者さんに説明し、麻酔をして根管充填(根管治療を終了する時にガッタパーチャを詰めます)まで終了しました。
師匠が”ずっと痛いって言う患者さんは充填しないと治らないよ。”と20年前に教えていただいたことを思い出して。
ズバリその日から全く痛みをおっしゃらず、数年経過していますが、全く問題なく使用していただいてます。

4、当院での治療について

① 治療前のレントゲンで歯根形態や湾曲度合いを診断します。

治療して治癒するのか、補綴冠を装着後の予後についても診断します。
※必要があればCT撮影もいたします。

② おおよその治療回数をご説明し、治療がスタートします。

どのような器具を使っているかは、ホームページの治療内容→精密根管治療をご覧ください。

③ 3ヶ月ほど経過観察をする場合もありますが、ほとんどの場合は冠を装着する(補綴処置)へ移行します。

治癒しなければ外科的根管治療が必要な場合がございます。
※治療する前のカウンセリングの時間に想定されることはできるだけお伝えするようにしています。
わからないことがあれば担当医又はトリートメントコーディネーターにお尋ねください。

5、まとめ

このように根管治療は様々な複雑な要因で治療回数が増えてしまうことがあります。
痛みも人によって感じ方が違いますし、原因が特定できない場合もあります。
しかし、治療回数が多いと根管内の感染のリスクも上がりますので、いいことではございません。できるだけ治療回数が少ない方が良い結果につながることがあります。
もし根管治療で何回も通院しているようでしたら、セカンドオピニオンを受診する選択も要なのかもしれません。
そして何より大切なのは、根管治療が必要な状態になる前に、定期的なメンテナンスを受診し歯を守ることを考えることです。
実際近年当医院でも予防メンテナンスが定着し、定期的にいらっしゃる方で神経を取る処置をする方は、ほとんどいらっしゃいません。
根管治療の成功率は70%~90%と言われていますが、様々なケースが存在しますので、成功率には幅があると思います。
全ての治療が成功するのではなく、治癒しない場合もありますので、当院では最初の診断の時に総合的にご説明させていただきます。
申し訳ございませんが治癒する可能性が低ければ、他の治療のご提案をすることもございます。
歯科医師である限り歯を保存することに全力を尽くすべきと考えております。
根管治療は非常に難しい歯科治療の一つです。
また治療の成績は歯科医師によってかなりばらつきがあると言えます。
なので根管治療をしないといけない状態の歯にならないように、予防メンテナンスが大切です。
当院でも予防メンテナンスを提供するようになり、神経をとる根管治療の頻度は少なくなりました。
早期発見する定期検診ではなく、予防メンテナンスを受けることが重要です。
全ての人が健康な歯で過ごせますように。
根管治療が必要になった時はマイクロ根管治療をお勧めします。
マイクロ根管治療は当院にお任せください。
詳しくはホームページをご覧ください。
👉https://licca-implant-center.com/treatment/microend/


WEB予約