医療法人 西村歯科心斎橋診療所

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2025.06.23コラム

保険治療と自費治療の違いとは?歯科選びの大切なポイント前編

自費治療と保険治療の違いを考える男女

こんにちは。大阪市中央区心斎橋駅から徒歩1分の西村歯科心斎橋診療所、心斎橋インプラントセンター併設、院長の秦です。

歯の治療には、国が定めた範囲で費用の一部を負担してもらえる「保険治療」と、すべて自己負担で行う「自費治療」があります。「保険が使えるから安く済むならそっちでいい」と考える方も多いのですが、実はその選択が後々の満足度や再治療のリスクに関わることもございます。

どちらが良い・悪いという話ではなく、それぞれに特徴とメリット・デメリットがあります。

本コラムでは、患者さんが治療の選択肢を理解し、ご自身にとってベストな選択ができるように、「材料の違い」「治療法の幅」「見た目」「耐久性」などの観点から、保険治療と自費治療の違いを丁寧にご説明します。

1. 保険治療とは?

保険治療の仕組み

保険治療のイメージ

日本の医療制度では、歯科治療にも「健康保険」が適用されます。つまり、虫歯や歯周病、入れ歯などの基本的な治療については、国が定めた基準に従い、患者様が3割の自己負担で治療を受けられるという仕組みです(一部の方は1〜2割の場合もあります)。

保険治療の目的は、「最低限の機能回復」にあります。つまり、「噛める」「話せる」「痛みをとる」といった基本的な機能を保つための治療を行うことが主であり、見た目の美しさや快適性、長期的な耐久性まではカバーされていないことが多いのが現状です。

また、保険治療では厚生労働省が定めた材料と治療法のみが使用可能です。どんなに技術的に優れた方法があっても、それが保険制度に認められていなければ使用することはできません。

使用できる材料と治療法の制限

たとえば、奥歯の詰め物や被せ物の場合、**金属製(いわゆる銀歯)**が使われることが多くなります。これには「保険適用範囲内で作れるから」という理由があります。近年では条件が合えばCADCAM冠といった強化プラスチックの”白い歯”も保険適応になりました。

セラミックやジルコニアのような白くて自然な素材は、基本的に保険適用外です。

また、歯の神経治療や歯周病の処置においても、使用できる薬剤や器具に制限があるため、結果として治療の精密さや持ちの良さに影響する可能性も否定できません。

もちろん、保険治療で十分な効果が得られるケースも多くあります。

しかし、すべての患者様にとってベストな治療が必ずしも保険で受けられるとは限らないのが現実です。

2. 自費治療とは?

自費治療の自由度とメリット

自費治療とは、保険制度の枠に縛られず、最新の材料や治療法を自由に選択できる治療方法です。費用は全額自己負担となりますが、その分、歯科医師と患者さんが一緒に相談しながら、最善の治療計画を立てることができます。

たとえば、「見た目を自然にしたい」「金属アレルギーがあるので金属は使いたくない」「一度で終わる治療が良い」といったご要望にも柔軟に対応可能です。

保険では使えないセラミック、ジルコニア、ホワイトニング治療、インプラント、矯正、マウスピース矯正など、豊富な選択肢が用意されています。

また、自費治療では、医院ごとの技術力や経験を活かした治療ができる点も魅力です。治療時間やステップも十分に確保されるため、より丁寧で精密な治療が行えるのです。

高品質な材料と審美性の追求

特に審美歯科領域では、自費治療の恩恵が顕著です。保険ではどうしても「銀歯」など目立つ素材が使われがちですが、自費治療では天然の歯と見分けがつかないほど自然なセラミックやジルコニアなどの高品質な素材が選べます。

これらの素材は見た目だけでなく、変色しにくく、金属アレルギーのリスクもなく、長持ちするという利点もあります。さらに、歯ぐきとのなじみも良いため、時間が経っても境目が目立ちにくく、美しさを長く保てます。

綺麗な歯で笑う女性

3. 材料の違いで見える仕上がりの差

保険と自費で使える代表的な素材

治療方法保険治療の素材例自費治療の素材例
詰め物銀合金、コンポジットレジンセラミック、ジルコニア
被せ物金銀パラジウム合金オールセラミック、ジルコニア、E-max
義歯レジン床義歯金属床義歯、ノンクラスプデンチャー
矯正治療×(保険対象外)マウスピース矯正、ワイヤー矯正

見た目の自然さや美しさの比較

銀歯とセラミック、実際に口の中に入ったときの見た目を比較すると、一目瞭然の違いがあります。セラミックなどの白い素材は、自然な光の反射や透明感を再現でき、本物の歯と見分けがつかないほどの美しさがあります。

また、銀歯は経年劣化で黒ずんだり、金属が溶け出して歯ぐきが黒く見える「メタルタトゥー」になることも。これに対し、セラミックやジルコニアは変色しにくく、長く美しい状態を保つことが可能です。

4. 治療方法の選択肢が広がる自費治療

自費診療でできる治療の選択肢

患者さんに合わせた治療プランの提案

自費治療では、「この方法しかできない」という制限がないため、患者さん一人ひとりのご希望や生活習慣に合わせたオーダーメイドの治療が可能です。

たとえば、「仕事で人前に出ることが多いので目立たない治療が良い」「短期間で終わるようにスケジューリングしてほしい」など、ライフスタイルを考慮した治療設計ができます。これは保険治療では難しい柔軟さです。

また、治療の選択肢も豊富で、インプラント・ホワイトニング・矯正など、より専門性の高い治療を組み合わせた包括的なプランを立てることも可能です。

最新の技術や機器が使える理由

自費治療では、保険の制約にとらわれず、最新の技術や高度な医療機器を導入しやすいという利点もあります。例えば、3Dスキャナーやマイクロスコープ、CAD/CAM技術などを使った精密な治療が可能です。

これにより、治療の精度が上がり、結果として再発リスクの低減や治療期間の短縮にもつながるのです。

5. 長期的な耐久性とメンテナンス性

保険治療における寿命の目安

保険で作られる詰め物や被せ物は、素材が金属やプラスチックのため、一般的に5〜7年程度で劣化や再治療が必要になるケースが多いです。変色や摩耗、適合性の低下などが原因で、再び削って治療を繰り返す「負のスパイラル」に入ってしまうこともあります。

※歯科治療における「負のスパイラル」は「Restration cycle」と言い治療が繰り返されることを言います。

詳しくはhttps://licca-implant-center.com/treatment/cavity/をご覧ください。

このような治療の繰り返しは、歯を失うリスクを高めてしまうため、将来的にインプラントや入れ歯が必要になることもあります。

自費治療は「長く持つ」前提の治療

一方、自費治療で使われるセラミックやジルコニアは、非常に高い耐久性を持ち、10年、15年と長く使い続けられることが多いです。さらに、見た目の美しさも変わらず保たれるため、「治療を何度も繰り返したくない」という方には最適です。

自費治療の質は歯科医師の技量にも結果が左右されますので、長く持つであることが予想される(予知性が高い)治療にしかご提案もいたしません。

また、自費治療ではメンテナンス体制もしっかりしている医院が多く、定期検診を通じて健康な状態を長くキープできるのも大きな利点です。

6. 費用面の違いとその内訳

保険治療の費用と計算方法

保険治療の最大のメリットは、やはり「治療費を抑えられる」点にあります。健康保険が適用されることで、患者様は自己負担3割で治療を受けられます。たとえば、虫歯の詰め物1本あたり数千円程度で済むこともあります。

ただし注意したいのは、「安く済む=質が高い」わけではないという点です。保険内の材料は費用を抑えるために選ばれたものであり、長期的な耐久性や見た目の美しさに関しては制限があります。数年後に再治療が必要となれば、そのたびに治療費が発生し、結果的に費用がかさむケースもあるのです。

自費治療の費用とその価値

一方、自費治療はすべて自己負担となります。たとえば、セラミックの詰め物で3〜7万円、被せ物では10万円以上かかることもあります。インプラントや矯正治療になると、さらに高額になるケースもあります。

ただし、その分、素材の品質、治療の自由度、審美性、耐久性など多くの面で優れた治療を受けられます。長持ちする治療であることから、将来的な再治療のリスクを下げ、トータルで見ると費用対効果が高いと感じる方も多いです。

また、自費治療には保証制度がある医院も多く、万が一のトラブル時にも安心できる仕組みが整っています。

歯科医院の治療の様子

まとめ

今回のコラムは”自費治療と保険治療の違いとは?歯科選びの大切なポイント 前編”として書かせていただきました。

続きは”自費治療と保険治療の違いとは?歯科選びの大切なポイント 後編”を後日アップさせていただきます。

最後まで読んでいただきありがとうございます。


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