医療法人 西村歯科心斎橋診療所

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2024.10.09コラム

詰め物が取れた

銀色の詰め物

詰め物、被せ物が取れた!

歯の詰め物

虫歯の治療で詰め物、被せ物を装着したものが取れた経験がある人は少なくないのではないでしょうか?

快適に使用していた詰め物、被せ物が取れるとお口の中が不快感で溢れますよね。

私も同じような経験をしました。

出来るだけ早く改善したいと思いますし、歯科医師としても出来るだけ元の状態に戻してあげたいと思います。

ではなぜ詰め物、被せ物は外れてしまうのでしょうか?

今回のコラムでは詰め物、被せ物が外れる原因と対応についてまとめたいと思います。

歯の詰め物

1、詰め物が外れる理由

粘着性の高い食べ物によって取れた詰め物

①粘着性の高い食べ物

詰め物が取れてしまうような粘着性の高い食べ物第一位は歯医者の大敵である”キャラメル”です!

キャラメル商品以外にあれほど粘着性がある食べ物はありますでしょうか?

お餅やあめ玉も粘着性があり、詰め物が外れてしまうことがありますが、やはり1位はキャラメルだと思います。

キャラメルはその粘着性だけではなくて、砂糖を多く含み、お口の中で長く停滞するためプラークのpHが下がり、長時間酸性に傾くため虫歯になるリスクも高い食品です。

特に虫歯治療を受けたことがあるお子さんは絶対やめてください。

また、乳歯は永久歯と構造が違い、接着しにくいのが特徴です。

いくら歯科医師が確実に治療したとしても、大人と違い外れるリスクは高いです。

そして前述のようにキャラメルやアメ玉はお口の中に長く停滞する食品なので、虫歯になりやすい乳歯(酸に溶けやすい)は非常にリスクが高い食品です。

いくらお子さんがこのようなお菓子を求めても、買わなければ小さな子供が手にすることはありません。

虫歯予防は手に取った食品から始まります。

②詰め物の中で虫歯になっている。

治療した歯は再び虫歯になることがあります。

それを2次カリエスと言います。

銀の詰め物が取れてしまった場合はよく虫歯になっていることがあります。

詰め物と歯の少しの隙間から虫歯が進行し、詰め物を引っ付けていたセメント(接着剤)が破壊され取れてしまいます。

なので銀歯が外れた場合には虫歯になっていることが多いのです。

では白い詰め物(コンポジットレジン、樹脂)で詰めた場合はどうでしょうか?

白い詰め物は周りからじわじわ剥がれながら虫歯が進行してしまいます。

メンテナンスに通っていると目視で確認できますので大きな虫歯になる前に対応ができますが、定期検診、メンテナンスの習慣がなければ大きな虫歯になっていることがあります。

セラミックの詰め物の場合は外れても虫歯になっていることがあまりありません。

セラミックは接着が最重要ポイントなので、接着力が低下すると外れます。

なのであくまでも私見ですが、詰め物の中でジワジワと虫歯が進行しないため、虫歯になっていないことが大きのだと考えられます。

③自分の歯にクラック(ヒビ)が入っている。

歯にクラックが入っている場合、強く噛むとクラックを中心として歯が開きます。

中心から外に広がるイメージです。

そうすると詰め物のセメントが破壊されて詰め物が取れてしまいます。

詰め物が歯の幅の1/3以上を占める場合に起きやすいと言われています。

2、詰め物が外れた場合の対応と治療

①適合よく戻せる場合

虫歯にもなっていなくて、適合性にも問題がない場合は歯や詰め物に付着しているセメント、汚れを取り再度接着することができます。(銀歯、金歯、セラミックの場合)

治療はその日に完了します。

白い詰め物(樹脂、コンポジットレジン)の場合は取れた詰め物を再度接着することができませんので、当日、もしくは後日に治療をします。

治療回数は1回で終了できます。

②虫歯になっている場合

詰め物が取れた歯が虫歯になっている場合は原則、再度の接着は致しません。

理由としては

  • 虫歯が残っている場合、接着はうまくいきません。再度すぐに外れてしまいます。
  • 虫歯の上から接着すると痛みが出ることがあります。
  • 幸いすぐに外れなかったとしても、詰め物の内側で虫歯が急速に大きくなります。

③適合が悪く、隙間があり、カタつく場合

再度の接着は原則いたしません。

適合が悪い、カタつく場合は必ずすぐに外れます。

患者さんにとっても歯科医院側にとっても無駄な時間と労力は発生するため、当院ではこのような場合はしっかりとした治療をお勧めいたします。

④歯にクラックが入っている場合

自分の歯を長く持たせるために治療をお勧めします。

クラックが入っている歯に外れた詰め物を再度引っ付けるとクラック(ヒビ)は広がり、歯根まで折れることがあります。

歯根が折れると歯を抜かないといけません。

そうならないように当院では適切な治療をお勧めいたします。

クラックが入っている歯

3、被せ物が外れる理由

被せ物をしている歯と詰め物で治療している歯の大きな違いは歯の神経が生きている状態なのか、神経をとってしまった歯であるのかが大きく異なります。

詰め物で治療をするときは虫歯の範囲が小さく、神経が生きている状態であることが多いです。

逆に被せ物をしている歯は神経をとって、コアを築造(神経を取ったところに金属やレジンで補強する方法、土台とも呼ばれます)されています。

外れた被せ物が入っていた歯の状況で状況は違います。

①粘着性の高い食べ物

前述の詰め物編をご参考ください。

②被せ物の中で虫歯になっている。

歯の神経がある場合、被せ物が取れると冷たいもの、温かいものがしみます。

そんな神経がある歯の場合は虫歯はさほど大きくありませんが、神経がない歯の場合は歯根のまで深い大きな虫歯になっていることがあります。

③自分の歯が折れている。

神経がある歯は歯冠が、神経がない歯は歯根が折れて被せ物が外れてしまうことが多くあります。

取れた被せ物に尖ったコア(金属やレジンの土台)がついている場合は多くの場合、歯根にヒビや破折(折れている状態)が起きています。

さし歯(ファイバーコア)

④適合に問題がある。

長持ちする被せ物は特に適合(歯にフィットしている)が重要なポイントです。

適合が良好ではない被せ物は外れやすくなります。

しかし元々の歯が短い場合(歯の丈が短い)は外れやすい傾向にあります。

4、被せ物が外れた場合の対応と治療

①神経がある歯の場合

虫歯になってなければ再度つけることができます。

虫歯になっている場合は当日は仮のセメントでつけて、後日麻酔をして治療をし、仮の歯を作成して装着します。

仮の歯で問題なければ型取りをして被せ物を作成していきます。

被せ物には種類がありますのでホームページのコラムをご参考になさってください。

自費診療と保険診療の違い 被せ物編

②神経がない歯の場合

虫歯でもなく歯が割れていなければ歯と被せ物に残ったセメントを削り取り、当日に再装着します。

しかし、神経がない歯の被せ物が取れてきた場合は多くの場合で歯冠または歯根が折れています。

そのため当日に外れた被せ物を再度つけることは難しく、後日の対応になることがあります。

もちろん前歯や審美的な場所の歯が取れた場合は、当日に仮の歯を作成して対応いたします。

歯が折れている場所が歯根の深いとこをであったり、完全に割れている場合は抜歯になります。

抜歯後の治療はインプラント、ブリッジ、入れ歯がありますので、メリット、デメリットを理解した上で治療の選択をされることをお勧めします。

5、詰め物、被せ物を外れてはつけることを繰り返すデメリット

詰め物、被せ物が外れてしまうのは全て原因があります。

その原因に対処して外れなくて快適に噛めることができるようになります。

外れたものをつけることを繰り返すのは1回までにするのが無難だと思います。

理由としては外れるたびに原因は大きくなっていくので、いざしっかり治療をする場合に問題も大きくなり、治療が複雑になります。

治療が複雑になると治療期間も長くなり、治療費もかかります。

ケースによっては隣の歯や、噛み合う歯まで治療が必要になります。

当院では詰め物や被せ物が外れた場合にも、患者さんの5年後10年後のことを考えて適切な対応をいたします。


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