2025.05.21Newコラム
お口の汚れ放置しないで!歯科医院で受けるべき徹底クリーニングとは?
「歯磨きは毎日欠かさないのに、どうも口臭が気になる…」「歯の表面がザラザラする…」そんなお悩みをお持ちではありませんか?それは、もしかしたらセルフケアだけでは落としきれない汚れが原因かもしれません。この記事では、お口の悩みを解決するためのプロのクリーニングについて西村歯科心斎橋診療所で勤務しております歯科衛生士の叶より詳しく解説します。
目次
お口の中の汚れには種類がある?

お口の中の汚れには「歯垢(プラーク)」や「歯石」「バイオフィルム」「着色」などがあり、これらはそれぞれに違いがあります。まずどのような違いがあるのかを解説していきます。

歯垢(プラーク)
まず、歯垢(プラーク)とは、食事の際に残ってっしまった食べかすと思われている方もいらっしゃいますが、細菌の塊のことを言います。食事の中に含まれる糖分が主に細菌の栄養源となり、食後に活発に細菌の増殖と代謝が始まることで歯の表面に付着します。そのため、付着して間もない歯垢(プラーク)であれば、歯ブラシなどの清掃用具を使用してセルフケアで除去することができます。
バイオフィルム
この歯垢(プラーク)が普段歯ブラシや歯間ブラシなどの清掃道具が行き届きづらいところなどに停滞し続けてしまうと細菌同士が結合し、細菌が自ら生成する物質によって表面に一層膜状のものを形成します。これをバイオフィルムと呼びます。
これは、お口の中だけでなく、シンクなど水回りでも見られる表面の「ヌメリ」もこのバイオフィルムが形成された状態です。
この「ヌメリ」が形成されてしまうと、ブラシで擦っても中々取れなかったり、専用の薬剤や硬いブラシなどを使用しないと中々綺麗にできないことを経験されたことがある方もいらっしゃるかと思います。そのため、お口の中にこのバイオフィルムが形成されてしまうと、セルフケアでは除去できないため、歯科医院でのプロフェッショナルケアが必要になってきます。
歯石、着色
歯垢(プラーク)が唾液に含まれるカルシウムやリンと反応し、石灰化と言って固く石のようになってしまうことを「歯石」と言います。この歯石の他にも飲食物やタバコのヤニなどの色素が歯の表面に付着してしまうことを「着色」と言います。
この歯石や着色は歯の表面に強固に付着し、日頃の歯磨きだけでは取り除くことができないため、歯科医院でのプロフェッショナルケアが必須となってきます。
バイオフィルムや歯石を除去する方法

前述しました、バイオフィルムや歯石を除去する方法には様々な方法があり、歯科医院によって使用する器具や薬剤も異なっています。このバイオフィルムや歯石を歯科医院で除去する方法についてを5つご紹介します。
歯ブラシ、歯間ブラシ、フロス

普段、セルフケアでも使用している歯ブラシや歯間ブラシ、フロスなどを使用して除去する方法があります。ただし、この方法は普段からセルフケアを徹底し、バイオフィルムの形成が比較的浅い状態には除去できる場合がありますが、他の器具との併用が必要になってくる場合がほとんどです。実際にセルフケアではどうしても歯垢(プラーク)を除去できる限界が出てしまうため、歯科医院でのプロフェッショナルケアによって定期的にクリーニングをすることで虫歯、歯周病を予防することができます。
ソニックブラシ

音波振動を利用してブラシを細かく振動させることで、歯垢(プラーク)やバイオフィルムを除去することができる機械です。
手動の歯ブラシでは除去できないバイオフィルムを除去することができるのが大きな利点になりますが、音波振動を発生させて使用するため歯医者さん特有の高い音と専用のブラシをバイオフィルムの付着しているところに的確に当てる必要があるため高度な技術が必要となります。そして、着色や歯石などを除去することはできないため、そのほかの器具との併用が必要になってくる場合がほとんどです。
超音波スケーラー

超音波スケーラーは、超音波振動を利用して歯の表面に付着したバイオフィルムや歯石を除去することができる機械です。
そして、超音波スケーラーには歯周ポケット内で水の流れを作り、歯石やバイオフィルムを洗い流す事で細菌数を減らすことができる「イリゲーション効果」と超音波振動によってできた気泡が弾けた衝撃を利用して効率よく細菌を除去する「キャビテーション効果」があります。
超音波スケーラーの種類にもよりますが、歯医者さん特有の高い音と専用チップをバイオフィルムや歯石の付着しているところに的確に当てる必要があるため高度な技術が必要となります。
主に歯ブラシなどが届かない歯周ポケットの深いところに付着したバイオフィルムや歯石を除去するのに使用するため、チップの形状などから歯の表面にべったり付着した多量の歯石や着色の除去にはあまり向いてません。
エアポリッシング(エアフロー)

エアーポリッシング(エアフロー)は、空気と水と粉末を勢いよく噴射することでバイオフィルムや歯石、着色の除去を行うことができる機械です。ソニックブラシや超音波スケーラーでは歯に付着しているバイオフィルムや歯石に直接器具を当てて操作する必要があるため歯茎や歯に傷を与えてしまう可能性があり高度な技術が必要になりますが、エアポリッシングでは細かなパウダーを使用することで歯茎や歯面を傷つけることなくバイオフィルムや歯石、着色などを歯医者さん特有の高い音ないため、痛みや不快感もなく効率よく除去することができます。使用するパウダーの種類によってはインプラントやセラミックなどの補綴物に当てても傷をつけずにクリーニングが行えるため歯や被せ物に優しいメンテナンスを行うことができます。
歯周ポケット内4mm程度までバイオフィルムの除去が行えるため、比較的浅いポケットであればエアポリッシング(エアフロー)だけで歯の表面と歯周ポケット内のクリーニングを行うことができます。(4mm以上の深いポケットがある方や出血などの炎症症状のある方には超音波スケーラーとの併用をおすすめします。)
PMTC

PMTC(プロフェッショナル・トゥース・クリーニング)とは、歯の表面についたバイオフィルムや歯石、着色を専用の機器と研磨剤を使用して除去する方法です。
研磨剤を使用して行うクリーニングになるため、研磨剤の粒子の大きさにもよりますが、歯面や補綴物に傷を与えてしまう可能性があるため高度な技術が必要になります。しかし、前述したエアポリッシングでバイオフィルムや歯石、着色などを除去した後に普段の歯ブラシなどでも歯面に傷がついてしまっている場合があるため、研磨剤が配合されていない歯面を修復してくれる作用のある薬剤でPMTCを行うことでトリートメント効果が期待できます。
当院で行なっているプロフェッショナルケア

当院では、できるだけ歯にダメージを与えず痛みや不快感に考慮した快適な施術を心がけております。今まで、歯のクリーニングの際に痛みがあったり、苦手意識の持たれている方も、安心して受けていただけます。
〈PMTCの流れ〉
1 染めだし
専用の染め出し液を使用して、歯の表面に付着しているプラークやバイオフィルム、歯石を視覚的にわかりやすくします。そのことによって、普段セルフケアで歯ブラシが行き届きづらいところがわかりやすくなるのはもちろんですが、できる限り取り残しがないようにクリーニングを行うことができます。
2 エアポリッシング(エアフロー)
前述しました、エアーポリッシング(エアフロー)を使用して歯の表面に付着しているプラークやバイオフィルムを歯茎や歯を傷つけることなく除去します。そして、従来に使用されていたソニックブラシやスケーラーと比較すると痛みや不快感もかなり軽減されているため、快適にクリーニングを受けていただくことができます。
3 超音波スケーラー
歯周ポケットが4mm以上ある方や、出血の多い方には必要に応じて超音波スケーラーを使用します。エアーポリッシング(エアフロー)では除去しきれない歯茎の深い部分や歯茎からの出血が多い方は超音波スケーラーを使用したクリーニングを行うことで、エビデンス的にも得られる効果が高いことがわかっています。当院では。できるだけ不快感を与えないように施術を行う際には事前にトレーニングを積んだ歯科衛生士により痛みや不快感ができるだけないように施術を行なっています。
4 PMTC
歯垢(プラーク)やバイオフィルム、歯石、着色などを除去した後にリナメルトリートメントペーストを使用してトリートメントケアを行なっています。
研磨剤が配合されたペーストは使用せず、より歯の表面を美しく、普段の歯ブラシなどでついてしまっている目には見えない傷を修復し、歯の表面を一層ツルツルに磨いていきます。
そうすることで、歯垢や着色汚れをつきにくくするだけでなく、歯にミネラルを補給することで虫歯予防も同時に行なっていきます。
5 高濃度フッ化物塗布
9000ppm以上のフッ化物塗布を最後に行うことで、子どもや大人の虫歯予防を行います。普段使用している歯磨き粉の中に含まれるフッ化物と併用することで、高い虫歯予防効果が期待できます。フッ化物塗布後は30分〜1時間ほど飲食を控えていただきます。
当院で行なっているPMTCの流れは主にこのような流れになりますが、お口の中の状況によっては使用する器具、機材が変更になる場合があります。そして、PMTCは自費診療でのご案内となるため、詳しくは料金表を参照ください。
まとめ

近年、使用する器具、機材も多種多様な製品が使用されるようになり、従来の歯のクリーニングと比較すると不快感も少なく快適に施術を受けていただけるようになりました。
セルフケアでは除去しきれないお口の中の汚れは、定期的に歯医者さんでプロのクリーニングを受けていただくことをお勧めします。
ご予約はこちらから
【予約ボタン】