2024.07.16コラム
歯周病の治療はどんなことをするの?初期治療編
まず歯周病かどうか自己診断してみましょう。
□歯を磨くと血が出る。歯ブラシに血が滲んでいる。
□食べかすが溜まりやすい。
□喫煙している。
□歯が長くなってきた。
□歯並びが悪い。
□歯医者には痛い時だけ行く。
□糖尿病と診断された。
□朝起きると口の中がネバネバする。
□口臭がする。
□歯がぐらぐらする。
□固い食べ物が噛めない。
□歯ぐきがはれている。
いくつ当てはまりましたか?
該当する項目が多いほど歯周病が進行している状態の可能性があります。
ではまずどうすれば良いのでしょうか?
ズバリ!歯医者に行きましょう!
歯周病は薬で治る病気ではありません。
また、歯周病はゆっくりと確実に進行する病気です。
進行を止めるには歯医者に行き、適切な診断と処置をするしかありません。
歯周病を治すためには歯周治療が必要です。
では歯周治療はどんなことをするのでしょうか?
ズバリ!歯医者に行きましょう!
歯周病は薬で治る病気ではありません。
また、歯周病はゆっくりと確実に進行する病気です。
進行を止めるには歯医者に行き、適切な診断と処置をするしかありません。
歯周病を治すためには歯周治療が必要です。
では歯周治療はどんなことをするのでしょうか?
歯周精密検査をします。
①歯周ボケットの深さを測ります。
メモリがついているプローブを使用します
軽度歯周病の状態
注)骨までの距離を測っているのではありません。
重度歯周病の状態
プローブが深く入ります。
一般的に3mmまでが健康な歯肉、4mmを超えると軽度歯周病となります。
歯周病が進行すると歯周ポケットは深くなり、プロービングデプス(歯周ポケットをプローブで測った深さ)も6mm、8mm、10mmと深くなることもあります。
最初の状態を記録することで、歯周治療の効果もわかります。
②出血があるかを確認します。
プローブで歯周ポケットを測る時にに炎症があると出血がします。
出血の有無は歯周ポケットの活動性を見るのに非常に重要なポイントです。
出血する部分の全体的な割合も計算します。
出血の有無は歯周治療の効果を判断するのにも重要なポイントです。
③歯の動揺度を測ります。
歯は骨と直接繋がっているのではなくて、歯根膜というクッションのような膜で覆われています。
そのため直接骨と結合しているインプラントと違い少し力を加えると少し動きます。
その動き(動揺)の量を目視し、動揺度を記録します。
④プラーク(歯垢)がどれだけ付いているのかを記録します。
歯周病の敵はプラークです。
どこにプラークが付着しているのか、全体的にプラークが付着している割合を記録します。
プラークの除去することは歯周治療において最も重要なことです。
また、患者さんが努力することで、記録をしていないとその努力を評価することもできません。
①~④の項目を検査したのが下の”歯周組織検査表”になります。
いかがでしょう?
2~8mmの歯周ポケットが存在しています。
歯周ポケットの深さはお口の中に存在している歯によって違います。
当院では一つの歯を6か所検査(6点法)をいたします。
一つの歯を見ても数字にばらつきがあり、歯周病の状態を把握するためには正確に計測する必要があります。
レントゲン検査
歯周病は歯肉の病気と思われがちですが、歯を支えている骨(歯槽骨)がなくなる病気です。
では歯肉にだけの病気(炎症)とは何かを言いますと歯肉炎です。
歯肉炎と歯周炎(歯周病)の大きな違いは骨の吸収があるかどうかです。
歯肉に覆われた骨を透視することはできませんので、レントゲンを撮影します。
歯の本数にもよりますが、歯肉の状態、歯の状態を見るためにレントゲンを12枚撮影します。
レントゲンを撮影することで骨の状態も把握できるので、歯周ポケット測定もさらに正確に行えます。
口腔内写真を撮影します。
前述の2つの検査では歯肉の色、形が分かりません。
また口腔内写真を細かく撮影し保存することで、お口の中の経年的な変化も確認することができます。
以上で歯周治療をしていく用意ができました。
みなさんは歯医者さんでどのような検査をしていますか?
ご自身の歯周ポケットの深さや、プラークコントロールはいかがですか?
歯周治療
①初期治療
1プラークコントロール
歯周治療で最も重要なことはプラークを除去することです。
プラークは乳白色のため、歯と見分けがつかないことがあります。
そのような時はプラーク染色液でプラークを染め出してわかりやすくすることで磨き残しがわかります。
当院では患者さんにブラッシング指導する時に、染色液を使用します。
担当衛生士と患者さんのお互いが確認することで、患者さんのブラッシング技術が飛躍的に上達することがあります。
プラークコントロールが良くなると担当衛生士が”〇〇さん、プラコンがすごくよくなりました!”と私に報告をしてくれます。
担当する患者さんに自分の思いが伝わると本当に嬉しいことですよね。
<ちょっと寄り道話 その一>
歯ブラシが上手になるポイント
①歯を磨く順番を決める。
磨き忘れがないように磨く順番を決めておくのがポイントです。
②歯磨きの強さとストロークの確認する
③歯ブラシの当たっている場所を意識する
④歯と歯の間は適切なサイズの歯間ブラシを使用する。
2 スケーリング
歯肉縁上の歯石を除去します。
歯石はプラーク(細菌のかたまり)と唾液の中のカルシウムをリンが結合した石灰化物です。
歯石自体が悪いのではなく、ゴツゴツした歯石にプラークが付着することが歯周病を悪化させます。
歯肉縁上歯石とは?
歯肉の上に見える歯石を言います。
超音波スケーラーなどを使用し広範囲に除去します。
3 再評価
再度歯周組織検査をして歯周ポケットが浅くなっておりのか、出血が減っているかどうかなど治療の効果を評価します。
4 歯肉縁下歯石のSRP(スケーリング・ルートプレーニング)
歯周組織検査を行った結果、歯周ポケットが4mm以上の場合、歯肉縁下に歯石が付いていることが考えられた場合、RPをします。
歯肉嚥下歯石は歯周ポケット内に隠れて付いている歯石です。
肉眼で確認することは困難で、ゴツゴツした感じや、ザラザラした触感を器具の先で感じ取り歯石を除去します。
超音波スケーラーの先が小さなチップを使用したり、ハンドスケーラーを用いて歯石を除去します。
歯肉縁下歯石を除去するときは数回に分けて処置する場合と全ての歯を1週間以内(現法は24時間以内)に処置する方法がありますが、適応症かどうかしっかり見極める必要があります。
5 再評価
再度歯周組織検査をして治療の効果を確認いたします。
これで歯周病は治ったのか?いえ違います。
<健康な歯周組織を歯周病患者における口腔衛生の欠如時の歯のバイオフィルムを再形成と細菌の変化>を調べた文献があります。
Uzel,F.R.Teles,X.Q.song et ai:Microbial shifts during dental biofilm re-development in the absebce of oral hygiene health and disease.J Clin Periodontal.2011. Jul;38(7):612-620
歯肉縁上プラークを調べた結果
PubMed Centralから引用
健康な人(緑の棒グラフ)も歯周病の人(赤い棒グラフ)も処置後には細菌数は減っていますが、歯ブラシをしないと2日後には元の細菌数に戻ってしまいます。
健康な人も歯周病の人の同じように増えます。
歯肉縁下プラークを調べた結果
PubMed Centralから引用
歯肉縁上プラークと同じように処置をすると細菌数は激減しています。
また同じように2日後には元の細菌数に戻ってしまいます。
特に注目することは歯周病の人の方(赤い棒グラフ)は健全な人(緑の棒グラフ)より細菌数が増えていることです。
歯周病の人は歯周ポケットが存在するのでより多く細菌が増えるのではないかと言われています。
歯周病治療は患者さんの協力なしでは決して良くなることはありません。
逆に考えると、プラッシングを丁寧にプラークコントロールができれば改善する可能性は高くなります。
当医院には歯科衛生士が6人常勤しております。
担当歯科衛生士は患者さんの健康のため寄り添い治療にあたらせていただいております。
痛みが出ないように処置するようにトレーニングも行っております。
ぜひ歯周病治療は当院にお任せください。
また、歯周病や虫歯がない方も予防メンテナンスは当院に是非お任せください。